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今の代表にサプライズは必要ない。
運命の一戦で頼るべきはJリーガー?
posted2017/08/23 07:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
サプライズは、必要ない。
ロシアW杯アジア最終予選は残り2試合となり、日本は8月31日のオーストラリア戦か9月5日のサウジアラビア戦に勝利すれば、W杯出場枠の2位以内を自力で確保できる。ホームのオーストラリア戦で6大会連続の出場を決めたいが、“サッカルー”の愛称を持つ大型チームにはW杯予選で勝ったことがない。公式戦で最後に勝利したのは、'13年7月の東アジアカップ決勝までさかのぼる。
絶対に負けられない大一番を前に、日本の攻撃陣は不確定要素を抱えている。昨年11月のサウジアラビア戦から前線で存在感を発揮してきた大迫勇也が、ケガで招集できそうにないのだ。
不安をかきたてるのは、大迫のコンディションだけではない。
最終予選4ゴールの原口元気が、所属するヘルタでスタメンをつかめていない。本田圭佑から右ウイングのポジションを奪いつつある久保裕也が、ここまで4試合を消化したリーグ戦で得点をあげられずにいる。所属クラブでの好調さを日本代表へ持ち込み、勝利を引き寄せるとともに世代交代を推し進めてきた彼ら2人が、これまでとは違うメンタリティで合流することになるかもしれない。
ホームアドバンテージを生かすなら、Jリーガー。
3月のタイ戦で最終予選初ゴールをマークした香川真司も、ブンデスリーガの開幕節は後半終了間際からの出場に止まった。パチューカへ新天地を求めた本田圭佑も、5試合を消化したメキシコリーグにいまだ第一歩を刻んでいない。
現地時間22日と25日のリーグ戦に本田が出場したとしても、2試合でゲーム勘やゲーム体力がフィットするのかとの疑問は残る。ハリルホジッチ監督は、「次の2試合は試合勘のある選手が必要だ」と話している。
埼玉スタジアムにオーストラリアを迎え撃つ一戦では、ホームのアドバンテージを生かしたい。具体的に言えば、長距離移動や時差の影響を受けず、日本特有の蒸し暑さに身体が馴染んでいる選手を有効活用するべきである。
日本代表としての活動はおよそ2カ月半ぶりで、事前にテストマッチを消化することができず、欧州から合流する選手が揃うのは試合の2日前になることが予想される。ホームのアドバンテージを削ぐ要素が重なるだけに、Jリーグでプレーしている選手の起用は現実的な対処と言っていい。