ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
ブンデス日本人の今季を採点する。
MVPは大迫、宇佐美は戦術合わず……。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byAFLO
posted2017/05/28 07:00
得点を奪う、お膳立てするのいずれかで結果を残した選手はいる。しかし今季の大迫はゴール、アシストどちらにも絡んだのは数字からも明らかだ。
原口は序盤戦こそ目立った活躍を見せていたが。
<原口元気(ヘルタ)>
採点:4.0 31試合(先発23/2053分出場)1得点・2アシスト
主な起用ポジション:2列目の両サイド
ヘルタで5ゴール以上を記録したのは、ベダド・イビセビッチとサロモン・カルーのみ。この両ベテランを除き、大きな守備負担を強いられたアタッカーたちは軒並み思うような結果を残せなかった。パル・ダルダイ監督から守備面を評価されていた原口も例外ではなく、1ゴール・2アシストと不本意な成績に終わっている。
とはいえネットは揺らせなくても、序盤戦は高評価を受けていた。自陣の深い位置まで献身的に下がるディフェンスに精を出しつつ、速攻時はテンポの良いドリブルやパスを披露。開幕9試合連続でフルタイム出場を果たし、第9節のホッフェンハイム戦前には、敵将ユリアン・ナーゲルスマンに「今のブンデスリーガで最も良い選手の一人」と称された。
しかし、不得手な右サイドでのプレーが増えたシーズン後半は攻撃のパフォーマンスレベルを落とし、最終的にはバックアッパーに甘んじた。ヨーロッパリーグ行きが懸かった最終節も出番は訪れずに終わり、3シーズンで計4ゴールと実績を築ききれず。今夏にブンデスリーガの舞台を離れるかもしれない。
酒井はプレー以上に、キャプテンシーを評価。
<酒井高徳(ハンブルガーSV)>
採点:2.5 33試合(先発29/2692分出場)1得点・2アシスト
主な起用ポジション:右サイドバック、ボランチ
多くのチームメイト同様に好不調の波があり、パフォーマンスに関しては及第点を上回らなかった。それでも平均以上の採点がつけられるのは、最下位に低迷していた第10節終了後にキャプテンに大抜擢され、誰よりも長くピッチに立ち、チームメイトを鼓舞しつづける奮闘があればこそ。残留が決まった際には人目を憚らずに涙を流した。
第5節までのラバディア体制下と、その後のギスドル新監督の就任当初、また年明け前後とラスト3試合は本職のサイドバックを務めたが、それ以外の計16試合はボランチとして出場した。不慣れなポジションでもアグレッシブに戦う姿勢は崩さず、サボることとは無縁の気迫溢れるプレーを連発。その一挙手一投足が味方を奮い立たせていた。