ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
ブンデス日本人の今季を採点する。
MVPは大迫、宇佐美は戦術合わず……。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byAFLO
posted2017/05/28 07:00
得点を奪う、お膳立てするのいずれかで結果を残した選手はいる。しかし今季の大迫はゴール、アシストどちらにも絡んだのは数字からも明らかだ。
ワンタッチゴーラー武藤は負傷離脱続きが難点。
<武藤嘉紀(マインツ)>
採点:4.0 19試合(先発10/1020分出場)5得点・0アシスト
主な起用ポジション:2トップの一角、1トップ
右膝の負傷で2シーズン連続となる長期離脱を経験したが、限られた出番の中で目に見える結果を残した。得点の内訳を洗い直せば、全てがワンタッチゴール(3つはヘディング)。ゴール前で鋭い嗅覚を働かせ、チーム1位タイの5ゴールを記録した。得点率(約204分で1得点)、決定率(シュート3.6本で1得点)ともに悪いスタッツではない。
好調時はキレのある動きで縦パスを引き出し、クロスに対するエリア内での動き出しも秀逸だった。ただ、1トップを張るにはフィジカル不足で、例えば、大迫と比較するならチャンスメークの部分でも物足りず、そこは今後の改善点になる。
独力で勝負を決するなど、違いを生み出していた昨季前半ほどのインパクトは残せず、負傷離脱が長引いた点も加味すれば、及第点にわずかに及ばない評価が妥当だろう。
宇佐美は戦術が合わず、内田はリーグ戦出場ならず。
<宇佐美貴史(アウクスブルク)>
採点:5.0 11試合(先発5/438分出場)0得点・0アシスト
主な起用ポジション:2列目の左サイド
ディフェンスに重きを置くアウクスブルクの戦術に合わず、まるで持ち味を発揮できなかった。守備のタスクをこなすのが精一杯で、ボール保持時に爆発するような体力を奪われていた印象だ。プレータイムの短さもさることながら、計438分の出場でわずか2本に終わったシュート数が苦戦の事実を物語る。
<内田篤人(シャルケ)>
採点:- 出場なし
一時は引退説が浮上するほどの大怪我だった右膝の負傷から復帰し、2014-'15のチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦・第2レグのレアル・マドリー戦以来、約1年9カ月ぶりとなる公式戦出場を果たした。その舞台はヨーロッパリーグで、ブンデスリーガでは1試合だけベンチ入り。マルクス・バインツィル監督の信頼を得られず、2シーズン連続の出場なしに終わっている。