ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
牛の首投げ入れられてもCL出場!
RBライプツィヒとレッドブルの蜜月。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byAFLO
posted2017/05/06 09:00
大迫をタイトにマークするライプツィヒDFオルバン。胸スポンサーはもちろんレッドブルだが、左胸のクラブエンブレムもやはり2頭の牛が……。
破格の移籍金を費やすが、獲得選手は原則24歳以下。
主力が負傷離脱した時期こそややペースダウンしたものの、キックオフ直後からタイムアップまで攻撃的なハイプレスを敢行し、ボール奪取後はゴール方向に一直線に進むアクティブなサッカーをハイレベルに機能させた。
そのサッカーを支えているのがヤングタレントだ。練習施設やユース部門を整えるべく大枚を叩き、昨夏に昇格組では前例のない5000万ユーロ超えの移籍金を費やしたのは事実ながら、RBライプツィヒのチーム構成はすでに完成されたスターをかき集める“金満クラブ”のマンチェスター・シティやパリ・サンジェルマンとは異なる。
強化の全権を握るラルフ・ラングニックSDの意向で、新たに獲得する選手は基本的に24歳以下のみ。実績の有無や国籍を問わず、チームスタイルに合いそうな有望株を優先的に確保し、陣容の強化を図ってきた。スタメンの平均年齢が24歳未満だった試合は一度や二度ではなく、まさに若き力が躍進の原動力になっているわけだ。
ブンデスリーガで目覚ましい結果を残しているうえ、将来性も抜群のタレントが多いRBライプツィヒのスタジアムには、当然ながらビッグクラブのスカウトが殺到している。
バイエルン、リバプール、アーセナルなども続々注目。
今夏にもメガクラブに引き抜かれそうな逸材を挙げれば、攻守の橋渡し役として不可欠な存在のナビ・ケイタだ。アフリカ最高の選手になる日を夢見るギニア代表の22歳で、テクニック、運動量、得点力、危機察知能力などセントラルMFに必要な要素を満遍なく備えている。スイスのスポーツ科学研究機関(CIES)が4月下旬に発表したデータによれば、ブンデスリーガで最も高いドリブル成功率(55%)を誇っており、水面下でバイエルンやリバプールを中心とする争奪戦が繰り広げられているようだ。
チームトップ、リーグ4位の17ゴールを叩き出している快足FW、ティモ・ベルナーには4月下旬にレアル・マドリー移籍の噂が急浮上した。またリーグ最多の15アシストを決めているエミル・フォルスベリには、そのスルーパスの精度の高さを買ったアーセナルが接近している。