“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
鹿島の決壊を防いだ門番・昌子源。
世代交代とタイトル、二兎を追う。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byKiichi Matsumoto
posted2016/12/02 11:00
鹿島伝統の「3番」は肉体的にも、精神的にもタフでなければならない。昌子にもその風格が備わってきた。
埼スタでのCS第2戦、逆境でこそ闘志と集中力を。
鹿島のセカンドステージは結果として11位に終わったが、年間順位は3位。ファーストステージ王者として、チャンピオンシップ進出は決めていた。
タイトル獲得のチャンスを得た昌子は、「このタイトルは絶対に獲る」とより強い覚悟を固めていた。この覚悟は準決勝の川崎戦で表現され、鋭い読みのインターセプトや球際の強さ、クロスの対応の妙をフルに発揮し、相手の強力攻撃陣をシャットアウト。1-0勝利の陰のMVPとなった。
そして、浦和との決勝戦。ホームでの第1戦は0-1で落としてしまったが、この1点はPKによる1点であり、完璧に崩されたシーンはほぼなかった。この試合でも昌子は抜群の存在感を発揮し、的確なコーチングと読みの鋭さを発揮して、アタッキングサードで自由を与えなかった。
第2戦は12月3日、敵地・埼玉スタジアム。浦和の優位は変わりないが、目の前にチャンスが、可能性がある限り、決して諦めない。浦和の攻撃を食い止め、味方の攻撃陣を支え続けることで、必ず道は開かれる。
“常勝・鹿島”復活に向けて、より闘志と集中力を研ぎ澄まし、不退転の精神で目の前の一戦に臨む。昌子源とはそういう男だ――。