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バスケ修行のために高2で渡米……。
テーブス海の強みは“英語圏”思考。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2016/11/22 08:00
186センチ、83キロのテーブスの強みはスピード。身体的にとりわけ恵まれているわけではないが、その類まれなメンタルの強さでNCAA、そしてNBAへ挑む!
さらに自信がついたので、再び転校することにした。
今年夏にも、テーブスは自分の将来を優先した決断を2つ下した。
ひとつは、アメリカに来て最初に入った学校、メイン州にあるブリッジトン・アカデミーを1年で辞め、マサチューセッツ州にあるノースフィールド・マウント・ハーモン(以下NMH)に転校したこと。
元々、最初にアメリカの学校を探していたときにも、NMHは候補のひとつだった。ただその時は、強豪のNMHよりも、下級生の自分でもすぐに出場時間を得られそうなブリッジトンを選んだのだった。それが1年がたち、自信もついたことでさらに上を目指したくなった。
「ノースフィールド・マウント・ハーモンは、リーグ(強豪プレップスクールが集まる米東海岸NEPSACの3Aクラス)で一番強いチーム。全米優勝もしている。“せっかく”アメリカまで来てやるなら、一番高いレベルでプレーしない手はないと思ったんです」とテーブス。
英語で話していたのだが、「せっかく」の単語だけ日本語だった。
1年間で求めるものが変わったのは、それだけ成長したからだった。
U-18日本代表の招集を断った理由とは?
「新しいステージ(NMH)では何の保証もされていない。控えからの出場かもしれないし、シックススマンかもしれないし、スターターかもしれない。でも、自分ではスターターになれると信じている。試合に出られないことを恐れて、以前の場所にそのまま留まることはしたくなかった。試合に出られないことを恐れて行きたくないというのは、無駄(な考え)だと思った。
もし試合に出られたら? もしスターターになれたら? チームの得点リーダーになれたら? それができたらすばらしいことだ。それに、努力すればできると思った。それを達成するのに2年の年月もある。できると信じていたから、転校を決めました」
もうひとつの決断は、U-18日本代表の一員としてU-18アジア選手権で戦うことを断念したこと。今年春、テーブスはU-18日本代表候補として招集され、チームの一員としてドイツに遠征、現地で行われたアルバート・シュバイツァー・トーナメントに出場した。
その後、7月下旬にイランで開催されるFIBAアジアU-18男子バスケットボール選手権大会に出る代表メンバーに残ることを打診されたのだが、アメリカでAAUチームに所属し、全米各地で行われるトーナメントに出場することを選び、代表参加を辞退したのだ。