ジェレミー・リン「ミスを犯すことを恐れるな」

「彼（リン）からのアドバイスは、ミスを犯すことを恐れたらいけないということだった」とテーブスは振り返る。自分自身にも思い当たるところがあることだった。

「正直言って、（昨シーズン所属していた）ブリッジトンにいたときの僕は、ターンオーバーを気にしすぎていた。ターンオーバーをしたらベンチに下げられるのではないかと心配だった。いつでもそのことを心配し、躊躇していた。その結果、コート上にいてミスを犯さないけれど、何もやっていないという状態だった。

　彼（リン）も、（NBAに入って最初の頃に）エージェントから、『そういう（消極的な）プレーをしていたらNBAでは絶対にプレーできない』と言われて、その次の試合からは『シュートは全部打つ』『毎回、アグレッシブにやる』と自分に言い聞かせてプレーしていたという。そして今ではブルックリン・ネッツのスターティング・ポイントガードなのだから……」

　自分の道を貫けば、目標に近づけることを見せてくれた手本でもある。

まずは、全米プレップ大会で優勝することを目標に。

　NHMのシーズンは11月12日にスタートした。開幕を前に、10月末に、NCAAディビジョンIの中堅校、バックネル大から奨学金のオファーが届いた。

　正式に進学先を決めるのはまだ少し先だが、自分に奨学金をオファーしてくれるディビジョンIのコーチがいるということは、これまでやってきたことを認めてもらえた証でもある。もちろん、ひとつオファーを得ただけで満足というわけではない。テーブスの視線はさらに先を向いていた。

「自分にとって最初のディビジョンIの大学からの奨学金オファーをバックネル大から受けとり、とても嬉しい。まだ決断するまでには時間があるので、さらに上達し、この先、さらにオファーを受け取れるようになりたいと思っています。

　ディビジョンIでバスケットボールをすることは、僕が神戸で育った子供のころからの夢。このことが、日本のほかの選手たちが、アメリカでのバスケットボールを目指す励みになってほしい」

　さらに、目の前にある今シーズンの目標についてもこう語った。

「今シーズンの自分の目標は、自分のスキルをさらに磨くこと、そして、何よりも、チームとして全米プレップ大会で優勝すること、その目標を目指して頑張ります」