日々是バスケBACK NUMBER
バスケ修行のために高2で渡米……。
テーブス海の強みは“英語圏”思考。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2016/11/22 08:00
186センチ、83キロのテーブスの強みはスピード。身体的にとりわけ恵まれているわけではないが、その類まれなメンタルの強さでNCAA、そしてNBAへ挑む!
NCAAディビジョン1でプレーするため、すべきこと。
AAUトーナメントは、アメリカでは大学コーチたちが選手を発掘し、あるいは目をつけた選手の評定の場として重要な大会だ。まだアメリカでは無名に近いテーブスにとって、多くのコーチたちの前でプレーし、実力を証明することが、今後の大学進学のために重要だと判断したのだった。
「コーチ・ロイブル(U-18代表ヘッドコーチのトーステン・ロイブル)に、今の自分にとってはAAUでプレーすることが一番いいと思うと話しました。将来、NCAAディビジョンIのチームでプレーしようとしたらAAUで力を証明することが一番。それに、アメリカの高いレベルでプレーすることに慣れることも大事だった。
(U18代表の)友達たちといっしょにアジア選手権で戦いたいという気持ちもあったけれど、正直なところ、今では、正しい決断をしたと思っています。でも、(自分が抜けた後の)代表チームは応援していたし、彼らがいい結果を出したことは嬉しかったです(※)」
※U-18男子日本代表はアジア選手権で準優勝を果たし、来年夏のU-19世界選手権の出場権を獲得している。
アグレッシブに攻め続ける自分の原点に気がついた。
それでも、正しい決断を下したと思えるようになるまでには、色々と苦労し、思い悩んだ。当初、AAUチームで出場時間が限られ、試合によって波があったときには「日本に残るべきだったのではないかと思い悩んだこともあった」とテーブスは明かす。
その悩みが吹っ切れたのが、夏の後半に入ってからだった。
自分の実力を発揮し、プレータイムをもらうには、常にアグレッシブに攻めることだと気づいたからだった。
ポイントガードのテーブスだが、自ら積極的にゴールを攻め、それによってノーマークの味方を作り出すようなスタイルが自分にあっていて、理想像ともしていた。その原点に立ち返ったことで、道が開けていった。
「試合に出るのが10分でも2分でも、20分でも、毎回アグレッシブにプレーしようと決めた。最後のラスベガスでの大会で、ようやくそれが毎回、安定してできるようになった」
その活躍が認められ、7月下旬にロサンゼルスで開催された『アディダス・ネーションズ』にも招待された。
全世界から選抜された高校生選手たちが集まり、午前中はNBAコーチたちからスキルを教わり、午後はチームに分かれて試合をするというイベントだ。
そこでテーブスは、アディダス契約選手で、同じアジア系ポイントガードのNBA選手、ジェレミー・リンと会う機会を得た。