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インハイ決勝、市船が死闘を制す。
攻勢の流経柏が感じた「怖さ」とは?
posted2016/08/03 17:30
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
市立船橋と流通経済大柏。
千葉県のライバルであり、全国ナンバーワンのライバル関係にある2校が、トーナメントを勝ち上がり、決勝で相まみえた。
7月27日から広島県内で開催されたインターハイ。8月2日にエディオンスタジアム広島で行われた決勝戦は、3度目となる千葉決戦だった。
最初の対決となった2008年度決勝は雷雨による両校優勝、2013年度決勝は4-2で市立船橋が優勝を果たしている。通算の決勝進出回数は市立船橋が2年連続12度目、流通経済大柏が3年ぶり3度目で、前者は3年ぶり9度目、後者が8年ぶり2度目となるインターハイ制覇を目指した。
結果は1-0で市立船橋の勝利。1点を争うハイレベルな攻防戦は、決勝戦、そして全国ナンバーワンのライバル決戦に相応しいものであった。
「叩きのめす」「燃える」と燃えたライバル心。
「今年の対戦成績は1勝1敗(インターハイ予選決勝・1-0、プレミアリーグイースト第9節・0-1)なので、自分達がここで叩きのめしたい」(流通経済大柏・MF本田憲弥)。
「自分ではあまり意識しないようにしていますが、いざピッチに入って、あの赤いユニフォームを見たら、やっぱり燃える」(市立船橋・DF原輝綺)。
決戦前、選手たちが激しい火花を散らした。準決勝の青森山田戦を2-1で勝利した流通経済大柏は、試合後に決勝の相手が市立船橋だと知ると、表情は一段と引き締まった。同時に「(決勝の相手は)市船だと思っていた。絶対に勝ちたい」と本田は早くも気合いが入っていた。
そして、決勝当日。試合前に同じサブグラウンドで両者はアップをした。流通経済大柏の選手たちからは気合いに満ちた大きな声が聞こえて来る。一方の市立船橋は静かに黙々とアップを続けている。