“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
インハイを前に“事実上の決勝戦”。
市船と流経柏、千葉2強の激闘譜。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2016/07/19 17:00
ゴール前で激しく競り合う両校の選手たち。同じ県内で、全国トップレベルの試合ができることを喜ぶべきか嘆くべきか……。
近年の高校選手権では両校のどちらかが全国大会へ。
伝統校の市立船橋と、新興勢力から一気に全国レベルの強豪校へと急成長を遂げた流通経済大柏。
歴史の長さこそ違えど、間違いなく今の高校サッカー界を牽引しているこの2チームは、同じ千葉県内に学校がある。故に、千葉県から1校しか出られない全国高校選手権の千葉県予選では、両者が毎年のように激しくぶつかり合い、どちらか一方が全国に出られないという現象が起こる。
過去8年間のデータがそれを如実に物語っている。
<高校選手権・千葉県予選>
2008年度・市立船橋が優勝、流通経済大柏は準々決勝で渋谷幕張に敗戦。
2009年度・ともに準決勝で、市立船橋は習志野に、流通経済大柏は八千代に敗戦。
2010年度・決勝・流通経済大柏1-0市立船橋
2011年度・決勝・市立船橋1-0(延長戦)流通経済大柏
2012年度・準決勝・流通経済大柏1-1(PK4-2)市立船橋
(決勝はPK戦で八千代が優勝、全国へ)
2013年度・決勝・市立船橋1-0流通経済大柏
2014年度・決勝・流通経済大柏3-2市立船橋
2015年度・決勝・市立船橋3-0流通経済大柏
2008年度以降、連覇を成し遂げたチームはいない。それだけ両者の戦いは拮抗しているということだ。
2008年、2013年にはインハイ全国大会の決勝で激突。
さらに千葉県から2校の出場枠があるインターハイでは、2008年と2013年に全国大会決勝で市立船橋vs.流通経済大柏のカードが実現している。
2008年は雷雨中止に伴い、両校優勝となった。
それから5年後の2013年は志村滉(現・磐田)、石田雅俊(現・京都)を擁する市立船橋が、小泉慶(現・新潟)、青木亮太(現・名古屋)、小川諒也(現・FC東京)を擁する流通経済大柏を4-2で下し、全国制覇を成し遂げている。