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ヤクルト躍進の陰にユニフォーム!?
“優勝請負”デザイナーの仕事術。 

text by

日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/10/12 10:40

ヤクルト躍進の陰にユニフォーム!?“優勝請負”デザイナーの仕事術。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

館山昌平が復帰初勝利を上げた時着ていたのがこの燕パワーユニフォームである。

館山が復帰初勝利時にも着ていた!

 マジックが点灯し、優勝へのカウントダウンが始まったシーズン終盤の神宮球場には、緑色のユニフォームを身にまとったファンの姿が目立っていた。大岩さんがスワローズで初めてデザインした「TOKYO燕(えん)パワーユニフォーム」である。これはシーズン序盤の4月にあった巨人との6連戦“TOKYOシリーズ”で最初に選手たちが着た後、たびたび試合で使われている特別なユニフォーム。一般のファンには7月の巨人戦4試合限定で配布されたもので、一般販売もされていない。にもかかわらず、シーズン最終盤にきてこれだけの着用率とは、スワローズファンのリピーター率と優勝への期待度の高さがうかがえる光景だと言えるだろう。

「2013年の末に、ヤクルトの球団の方からお話をいただきました。それは2014年用ユニフォームのご依頼だったんですが、準備期間が短くて“とりあえずのもの”しか作れないということでお断りしたんです。ただ2015年に向けてなら、喜んでお受けしますと。わがままをご理解いただき、今季のユニフォームをデザインさせていただくことになりました。館山(昌平)投手が復帰初勝利を挙げたのも、燕パワーユニフォームの着用日でした」

ユニフォームが生み出す好循環。

 神宮球場のレフトスタンドは、タイガース戦なら黄色、カープ戦なら赤に染まる。白いホーム用ユニフォームのライトスタンドは、ビジターチームの鮮やかな配色に押されがちだ。期間限定ユニフォームに緑を使うこと自体は2013年からの一貫した方針だが、強い色のユニフォームを考案した背景には、スタンドを色で染めたいという球団の思いも見え隠れする。

 さらに大岩さんは、もう一種類の期間限定ユニフォームである「CREWユニフォーム」のデザインも担当した。こちらはファンクラブ「スワローズクルー」の入会特典にもなったが、ユニフォームが欲しくて入会する人も少なくなかったという。

「このCREWユニフォームを選手が着用した試合で、今年5戦5勝だったんですよ。シーズンが進むにつれて、あれ、ほんとに優勝するんじゃないかって思っていたら、ほんとに優勝しちゃいました(笑)。ユニフォームなどデザインの力でファンの気持ちを盛り上げる→ファンが集まる→大きな声援が選手に届く→勝つ→ファンがまた盛り上がる、という好循環につながっているのではないかというのが、僕の都市伝説的な持論です」

 大岩さんは今季、スワローズの各種ロゴ、グラフィックデザインも含め、「1年間がっつり」関わってきた。過去の2つの事例が導き出す結末は、ずばり日本一だ。

 2年連続最下位から、頂点へ。まずはCSファイナルステージという難関が待つスワローズを、緑色の燕パワー(EMPOWER=力を与える)軍団が強力に後押しする……かもしれない。

 信じるか信じないかは、もちろんあなた次第だ。

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