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フォルランと柿谷のコンビを長居で。
超大物がもたらす得点、集客、成長。 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2014/01/30 10:45

フォルランと柿谷のコンビを長居で。超大物がもたらす得点、集客、成長。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

昨年11月の代表の試合で、衰えぬフィットネスを見せ付けたフォルラン。世界のトップFWがJで見せるプレーに期待したい。

W杯得点王が日本でプレーするのは史上4人目。

 昨秋、一部で「引退か」と報じられたときには、39歳までプレーした父を引き合いに、フォルラン自身も「長く現役を続けたい」との強い意志を見せていた。

 ともあれ、ワールドカップの得点王がJリーグでプレーするのは、名古屋のゲーリー・リネカー(イングランド)、磐田のサルバトーレ・スキラッチ(イタリア)、柏のフリスト・ストイチコフ(ブルガリア)に続いて4人目。ストイチコフが最後にプレーしたのが1999年なので15年ぶりのことだ。それだけでも胸が躍る。

 3億5000万円とも4億円とも報道されているJリーグ史上最高額の年俸についてはどうか。

 これに関しては、昨年のAFCチャンピオンズリーグを制し、クラブワールドカップに出場した中国超級リーグの広州恒大が、マルチェロ・リッピ監督(イタリア)とルーカス・バリオス(パラグアイ)、ダリオ・コンカ(アルゼンチン)にそれぞれ約10億円の年俸を払っていたことを考えると、決して高いとは言えない。

 もっとも、その額に見合った成果を上げることが必要だが、今回の移籍では現時点で多くの効果が期待できる。

フォルランを見たくないサッカー好きはいない。

 まずはセレッソ自体のマーケティング効果だ。昨年は日本代表でも大ブレークした柿谷曜一朗効果で、クラブ史上最多となる入場者数約32万人を記録しているセレッソだが、まだまだ伸ばせるポテンシャルがある。

 というのは、主催17試合中、4万7000人を収容できる長居スタジアムでの開催は8試合で、9試合が2万500人収容と規模の小さいキンチョウスタジアムでの試合だったからだ。

 また、長居スタジアムでの試合の入場者数を昨年7月の東アジア杯前後で比較すると、東アジア前が1試合平均1万7647人であったのに対し、東アジア後は平均3万3371人と2倍近くになっている。詳細な数字を出したリサーチは発表されていないが、この数字は柿谷や山口蛍らの人気による「セレ女」と呼ばれる女性ファンの急増が原動力となっているとされる。

 一方、フォルランはサッカー好きなら誰でも一度は見てみたいと思う選手であり、男性ファンの拡大が期待できる。大物獲得により、クラブの世界的知名度の向上や、ブランド力アップも期待できるだろう。

【次ページ】 集客、若手の教育など、彼の影響力は計り知れない。

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