JリーグPRESSBACK NUMBER
フォルランと柿谷のコンビを長居で。
超大物がもたらす得点、集客、成長。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byREUTERS/AFLO
posted2014/01/30 10:45
昨年11月の代表の試合で、衰えぬフィットネスを見せ付けたフォルラン。世界のトップFWがJで見せるプレーに期待したい。
集客、若手の教育など、彼の影響力は計り知れない。
フォルランの加入は、セレッソをアウェイチームとして迎える相手クラブの集客にも貢献しそうだ。J1の場合は器が大きいので完売は難しいかもしれないが、昨季のJ2でガンバ大阪絡みの多くの試合のチケットが完売したような現象が起きるかもしれない。
もちろん、忘れてはならないのがタイトル獲得への貢献だ。セレッソは前身のヤンマー時代、釜本邦茂を擁して日本リーグを4度、天皇杯を3度制した名門だが、Jリーグには開幕から2年遅れの1995年に参入して、いまだ無冠。過去19年間で2度のJ2落ちも経験している。Jリーグ参戦20年目の今季、タイトル奪取に懸ける思いはクラブ、選手ともに非常に強く、フォルラン獲得には当然その狙いもある。
さらには目に見えない効果の大きさにも触れなければいけない。
フォルランの存在が柿谷や山口、扇原貴宏、南野拓実といった伸び盛りの若手に与える影響は計り知れない。もともとセレッソは“育成型クラブ”。フォルラン効果で彼らの能力がアップして価値が上がれば、海外へ送り出す際の移籍金という形で還元されるだろう。日本代表の強化という側面に目を移せば、対戦相手の守備陣にとってもこのうえない経験になる。
それにしても、フォルランの加入は胸躍る出来事だ。
深く、吸い込まれそうな青い瞳。世界一美しいとも言われる肉体。ツイッターでの発信で見せてきた、日本に対する親しみのこもった言動。とりわけ、ゴールシーンの美しさでは日本人史上最高と言える柿谷とのコンビは至高のハーモニーを奏でてくれるのではないかという期待が高まる。
一人のJリーグファンとして、とにもかくにも楽しみでならないのだ。