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なぜFA加入投手は新天地で苦しむ?
成功例・工藤公康に見る重大要素。
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田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2013/12/26 10:30
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広島で前田健太らとともに投手王国の一角を担った大竹寛。巨人への移籍については「地元の関東でプレーしたかった」とコメントしている。
先発投手不足は、毎年のようにあらゆるチームの泣き所である。
日本一となった楽天ですら、年間通してローテーションを守ったのは田中将大と則本昂大の2人のみ。巨大戦力を誇る巨人や、今季12球団で最も多い4人の2けた勝利を生んだ広島は例外と言える。
だからこそ、FA市場における先発投手の人気は常に高い。今年、FA権を行使した選手は4人。全員が複数年と、好待遇での移籍となった。
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涌井秀章(西武/2億2000万円→ロッテ/2年合計4億4000万円+出来高)
大竹寛(広島/1億円→巨人/3年5億円)
久保康友(阪神/1億2000万円→DeNA/2年2億5000万円)
中田賢一(中日/7000万円→ソフトバンク/4年最高6億円+出来高)
(※金額は全て推定)
彼らには実績や経験がある。
しかしながら過去、FA移籍した先発投手たちの成績はあまり奮わない。むしろ、負のイメージすら漂わせているくらいだ。
川崎、帆足、寺原……新天地で苦しんだ理由は故障。
印象深い選手を挙げれば、2001年にヤクルトから中日に移籍した川崎憲次郎だろうか。
4年契約を結びながら1年目から右肩の故障に泣き、一軍での登板試合はたったの3試合。ファンの期待を裏切った。
近年でも、'12年に西武からソフトバンクに移籍した帆足和幸が左肩痛の影響もあって2年で8勝しか挙げておらず、'13年にオリックスから古巣のソフトバンクに戻った寺原隼人も、怪我で戦線を離脱し4勝7敗と精彩を欠いた。
新天地で結果を残せないFA移籍の先発投手が多いのは、前出の3人からも分かるように故障が大きな原因となっている。