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9月の2試合に臨むザックジャパン。
序列が崩れた2つのポジションに迫る。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/08/30 12:10
前回、ウルグアイ戦で招集された時は、長谷部や遠藤ら不動のボランチから「勉強して、盗めるところを盗んで力にしたい」と語っていた山口。次の代表戦2試合で、更なる飛躍を見せられるか?
9月6日のグアテマラ戦と10日のガーナ戦に臨む日本代表23名が発表された。
7月の東アジアカップからの生き残り組は、森重真人、青山敏弘、山口螢、工藤壮人、柿谷曜一朗、齋藤学、大迫勇也の7名。8月のウルグアイ戦のメンバーだった豊田陽平、駒野友一、高橋秀人が落選し、酒井宏樹、齋藤、大迫が入った。海外組と国内組の割合も、6月のコンフェデ杯の時は6対4で海外組が多かったが、今回はほぼ同数になっている。
これは一見、勢力図の変化と見られがちだが、そう単純なことではない。W杯予選を突破したレギュラー組を軸とするヒエラルキーに基本的に大きな変化はない。海外組を重視する傾向にも変化はない。
では、なぜこれだけの国内組が招集されたのか?
それはザッケローニが、この2試合を国内組最後のテストと位置付けているからだ。
10月の親善試合は海外でアウェーの試合である。そこで9月の2試合で、結果を出した国内組を最終的にレギュラー組と融合させ、アウェーで屈強な外国人を相手に戦えるかどうか。チームにフィットできるかどうかを試すのだろう。
ただ、どこのポジションに重点を置いているかは、容易に推察できる。
ザックの狙いはボランチとセンターフォワードの修正。
ひとつは、ボランチである。
今回、これまでのボランチの控えだった細貝萌、高橋が落選している。代わりに生き残ったのが青山と山口だ。細貝と高橋は守備に強いタイプで青山と山口は攻守に強みを持つ。以前とはタイプが異なるだけに、ザックの趣向の変化が見てとれるし、彼らに対する強い期待も感じられる。
もうひとつは、センターフォワードだ。
今回、コンフェデ組の前田遼一とハーフナー・マイクが落選し、柿谷と大迫が入った。注目された豊田の落選は、ウルグアイ戦で周囲とかみ合わず「チームに、どうフィットするか」というザックの査定ポイントでの評価が低かったからだろう。柿谷はウルグアイ戦で及第点を得て生き残ったが、大迫も同じテストが課せられることになる。