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9月の2試合に臨むザックジャパン。
序列が崩れた2つのポジションに迫る。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/08/30 12:10
前回、ウルグアイ戦で招集された時は、長谷部や遠藤ら不動のボランチから「勉強して、盗めるところを盗んで力にしたい」と語っていた山口。次の代表戦2試合で、更なる飛躍を見せられるか?
所属クラブでレギュラー落ちした選手をどうする?
また、レギュラー組が所属クラブで試合にコンスタントに出場出来ていない状況を憂慮していることも分かる。
香川真司、長谷部誠、吉田麻也らはチームでレギュラー落ちを味わうなど、非常に厳しい状況に置かれており、今後の見通しも不明だ。
「チームでレギュラーとして試合に出ること」を選手に課しているザックにとって、一部の主力が置かれている状況を黙って見過ごすわけにはいかない。そこで、東アジアカップで思った以上に戦えた国内組を起用し、彼らに刺激を与える狙いがある。
つまり、今回の“東アジア組”の大量招集は、刺激とテストが主であって、ザックの頭の中にはレギュラーを変えるという意思はほとんどないのではないだろうか。いじるとしても、バックアップの選手の顔ぶれを変えようという程度だ。
それは、これまでのザックの選手起用方法からも分かる。
コンフェデ杯でも3試合ほとんどメンバーを変えなかったし、東アジアカップでも信頼が厚かったのは初戦の中国戦と3戦目の韓国戦に出たメンバーだ。
基本的に控えは控え、レギュラーとの間には大きな壁があるのだ。
ただ、その壁を超える可能性はゼロではない。
代表レギュラー奪取に、意気盛んな“東アジア組”。
清武弘嗣は当初こそ控えだったが、結果を出し続けたことでレギュラーの座を獲得していった。
コンフェデ杯でのブラジル戦以降、スタメンの機会をこそ失ってはいるが、チャンスを与えられた時、結果という大きなインパクトを残せれば、序列を崩すことは十分可能なのだということを証明した。
W杯予選やコンフェデ杯には無縁だったが、手の届くところに代表の椅子が見えてきたせいか、東アジア組の士気は高い。
それだけに期待も高まる。