なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
うぶなチームからしたたかな強豪へ。
なでしこ優勝への最短ラインを探る。
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2012/07/31 11:55
グループリーグ最後の1戦となる南アフリカ戦。佐々木監督はじめ、コーチングスタッフたちは、決勝トーナメントでの戦いを見据え、どんな手を打ってくるのだろうか。
スウェーデンとの第2戦を引き分けたなでしこは、最終節を待たずしてグループリーグ突破を決めた。
となるとあとは、何位で抜ければ決勝トーナメントを勝ち上がりやすいかという計算になってくる。グループリーグ第3戦以降の試合地移動を最小限に抑え、直近の対戦で完敗しているアメリカやフランスから遠いブロックに進むということを考えると、1位通過よりむしろ2位通過を狙うべきという声が多いようだ(もちろん、アメリカ、フランスがグループGを上位で通過してくるという前提ではあるが)。
それを実現させるとすれば、日本はまず早い時間帯で南アフリカに先制し、あとはスウェーデンvs.カナダ戦の試合情報をベンチに入れながら戦う、というのがベストの展開ではないか。もちろん日本が南アフリカに引き分ければ、スウェーデン対カナダ戦の結果がどうであれ日本のグループ2位が確定するのだが、最初からそれを狙ったのではまさかの一発が怖い(日本とスウェーデンがお互いに引き分ければ、得失点差で日本が2位に。日本が引き分けてスウェーデンが勝てばスウェーデンが1位で日本が2位、そして日本が引き分けてスウェーデンが敗れれば、カナダ1位、日本2位)。
南アのDFラインは各選手の動きが揃わず、ギャップだらけ。
とはいえ日本にとって南アフリカは、どんでん返しの心配のまずない相手。五輪開幕前はその情報の少なさゆえに警戒されていたが、ここまでの2戦でスウェーデンには1-4、カナダには0-3で敗れている。
DFラインは各選手の動きが揃わず、ギャップだらけ。しかもボールサイドに全員が簡単に引っ張られる上、マークの受け渡しができないので、ゴール前で敵アタッカーを何人もフリーにしてしまうことが多い。
攻撃陣で気をつけるべきは、左MFモディセのロングシュート、FWマトローのスピード、そして、ロシアのクラブでブラジルのFWクリスティアーネと一緒にプレーしている右MFニャンデニのトリッキーなフェイントといったところが挙げられるが、こうしたストロングポイントにしても、決してワールドクラスというわけではない。