なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
うぶなチームからしたたかな強豪へ。
なでしこ優勝への最短ラインを探る。
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2012/07/31 11:55
グループリーグ最後の1戦となる南アフリカ戦。佐々木監督はじめ、コーチングスタッフたちは、決勝トーナメントでの戦いを見据え、どんな手を打ってくるのだろうか。
出場機会に恵まれない選手たちの積極起用を!
なでしこの選手層をもってすれば、これまで出場機会に恵まれなかった選手を積極的に起用しつつ、決勝までを見据えた大人の試合運びができるはずだ。
逆にそれがままならないようでは、より厳しい戦いが待つ今後、アタックの切り札や、不測の事態に遜色なく穴を埋めてくれるバックアッパーが不在であることの証明になってしまう。安藤梢や岩渕真奈、田中明日菜あたりはすでに今大会での出場を果たしているが、まだまだこんなものではない、というところを南アフリカ戦で存分にアピールしてもらいたい。
いつまでも、うぶなチームではいられない。
現時点では、チームとしてなでしこが本当に2位を狙いに行くのかどうか、定かではない。佐々木監督の性格を考えれば、気の緩みが生まれるのを嫌い、あえて1位突破を目指すのではないかとも思う。
ただ、世界王者に君臨し続けたいのなら、いつまでも“がむしゃらさ”や“ひたむきさ”ばかりを前面に押し出して頑張る、うぶなチームではいられない。
そろそろなでしこも、大会全体を見通す“したたかさ”や“ふてぶてしさ”を身につけてよい頃ではないだろうか。
そしてもちろんそれは、“がむしゃらさ”や “ひたむきさ”と両立できるものなのだ。