Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

<名将が見たラグビーW杯> 清宮克幸 「ドラマなき敗戦を受けて」 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph byAsami Enomoto

posted2011/10/18 06:00

<名将が見たラグビーW杯> 清宮克幸 「ドラマなき敗戦を受けて」<Number Web> photograph by Asami Enomoto
ラグビーファンの淡い期待を打ち砕いたNZでのW杯。この結末を
どう見るべきか。日本屈指の名将がジャパンを総括する。

「最低でも2勝」を目標に臨んだワールドカップ。ジョン・カーワン監督(以下JK)率いる日本代表は、1勝もあげられずに終えた。

 早稲田大、サントリーで数々の栄冠を獲得、今季からヤマハ発動機ジュビロの監督に就任した清宮克幸氏は、日本代表をどう見たか。

――カーワンジャパンは、2007年と同じ1分3敗という結果に終わりました。

「私はラグビーを通しての夢や希望、感動をミッションに置いています。ラグビーという競技はすべてを出しあうところでドラマ、感動が生まれると思うんですよね。なのに世界一のチーム、オールブラックスとの試合に2軍を出してしまった。そこに違和感があって残念でした。対戦するチャンスはいつあるか分からないのに」

――先に先発選手を発表したオールブラックスはベストメンバーをそろえましたが、日本のメンバーを見たあと、主力を外しました。

「最初の発表には配慮もあったと思います。被災した国同士、ベストメンバーで戦って復興への元気をというコンセプトだったのではないでしょうか。NZのヘンリー監督は日本に何回も来ていて日本が好きな人です。本来ならBのメンバーで構わないのに、日本への敬意の表れだったと思います。なのにメンバーを知った上で日本はBを出した……逆ならまだしも、と感じました」

―― 一方で、「中6日のトンガに中4日で戦わなければならない日程だから仕方ない」という考え方も成り立つのではないでしょうか。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 2212文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

清宮克幸
ジョン・カーワン
ラグビーワールドカップ

ラグビーの前後の記事

ページトップ