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100マイルでも変化球でもない「巨人エースの技」菅野智之、千賀滉大と山本由伸は防御率0点台、パパ大谷キラーの今永昇太…メジャー日本人先発が奮投
posted2025/04/23 17:00

菅野智之と山本由伸。千賀滉大や今永昇太を含めて日本人先発投手がメジャーの舞台で輝いている
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Scott Taetsch,Getty Images/Nanae Suzuki
100マイルのフォーシームがなくても、ものすごい変化量の変化球がなくても、制球力と高い投球技術があれば、メジャーで先発投手として活躍できる――。
巨人エース12年は伊達じゃない投球術
オリオールズ菅野智之の好投は日本の投手、指導者をこんな感じで大いに力づけているのではないか。日本人メジャーリーガーの現地時間4月14日から4月22日までの成績、今季成績(すべて同22日時点)とともに見ていこう。
〈菅野智之/オリオールズ〉※投手のカッコ内は球数-ストライク
2025年4試2勝1敗0S 21回22安4本5球8振 責8率3.43
4月17日ガーディアンズ戦7回5安2本0球3振 責2(87-55)〇
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12日のブルージェイズ戦では1回にゲレーロJr.にタイムリー二塁打、2回にビシェットのタイムリー、3回にはサンタンデールの本塁打と立て続けに失点した。しかし17日のガーディアンズ戦では3回にシュニーマン、ヘッジスに連続本塁打をされた以外はゴロアウトを10個とるなど「打たせて取る」投球が光った。
菅野はフォーシーム(平均148.2km/h)だけなく、スプリッター(139.4km/h)、カッター(140km/h)、シンカー(148.6km/h)、と速球系の変化球を駆使し、打者に的を絞らせない。打ち気をそらす間の取り方や配球の妙など熟練の投球で、じわじわと実績を上げつつある。
「巨人エース歴12年は伊達じゃない」という印象だ。ずば抜けた投球はないがベテランらしいスタッツを残すのではないか。当分「中5日」で投げることになりそうだが、その分球数は少ないはずだ。適応してほしいと思う。
千賀と由伸が0点台…衝撃の防御率ランキング
菅野だけでなく、日本人先発投手の活躍が目覚ましい。以下、現地4月19日時点のナショナル・リーグ防御率10傑。