酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
100マイルでも変化球でもない「巨人エースの技」菅野智之、千賀滉大と山本由伸は防御率0点台、パパ大谷キラーの今永昇太…メジャー日本人先発が奮投
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byScott Taetsch,Getty Images/Nanae Suzuki
posted2025/04/23 17:00

菅野智之と山本由伸。千賀滉大や今永昇太を含めて日本人先発投手がメジャーの舞台で輝いている
1 千賀滉大(メッツ)0.79/3勝1敗22回20振
2 山本由伸(ドジャース)0.93/3勝1敗29回38振
3 メギル(メッツ)1.09/2勝2敗24.2回30振
4 ピベッタ(パドレス)1.57/3勝1敗23回24振
5 パーカー(ナショナルズ)1.85/2勝1敗24.1回16振
6 ペラルタ(ブルワーズ)1.91/2勝1敗28.1回33振
7 ルザード(フィリーズ)2.08/2勝0敗30.1回36振
8 マイヤー(マーリンズ)2.10/1勝2敗30回41振
9 ヒーニー(パイレーツ)2.13/1勝1敗25.1回22振
10 今永昇太(カブス)2.22/2勝1敗28.1回21振
メッツの千賀、ドジャースの山本と日本人投手が1位、2位。そして10位にはカブスの今永がいた。今季の日本人先発投手はそろって順調だが、特に千賀と山本は、前回登板で投球内容を修正できたようだ。
〈千賀滉大/メッツ〉
2025年 4試3勝1敗0S 22.2回15安1本7球20振 責2率0.79
4月19日カージナルス戦5.2回3安0本2球4振 責0(89-58)〇
ADVERTISEMENT
千賀はフォーシームとフォークが投球の基本で、NPB時代はこの2球種が軸だった。MLBではこれに加えカッター、シンカーなど多彩な球種を駆使している。その分、奪三振率は下がっているが、多彩な打ち取り方ができるようになった。昨年、右肩を故障しPRP療法を受けただけに、チームは千賀に無理をさせず、前回登板までは80球未満で降板させたが、19日のカージナルス戦では89球を投げた。制球力も向上している。規定投球回数に到達するかどうかは微妙だが、メギルと並ぶエース格として活躍が期待される。
山本由伸:エース級の好投…決め球には変化が?
〈山本由伸/ドジャース〉
2025年5試3勝1敗0S 29回18安2本7球38振 責3率0.93
4月18日レンジャーズ戦7回5安0本0球10振 責0(102-68)〇
ここまでの山本は「球数が嵩む」のが気になっていた。前回登板までイニング当たりの投球数は16.5。このペースでは中6日でないと起用できない感じだったが、18日のレンジャーズ戦は7回102球、平均14.6球と改善された。大谷翔平が「父親リスト」に入り、代役のエドマンが先頭打者本塁打を打つ中、山本はストライク先行で攻めた。フォーシームの制球力が上がったのが収穫だった。ただスプリッターが見逃される傾向にあり、決め球がカッターやスライダーになることが多くなっている。
20日のレンジャーズ戦でグラスノーが緊急降板。ローテを維持している投手が山本と佐々木朗希しかいない中で、山本にかかる期待は高まる一方だ。
今永:ドジャース戦で3被弾も…vs大谷は10打数0安打
〈今永昇太/カブス〉
2025年 6試2勝1敗0S 34回24安7本12球27振 責9率2.38
4月15日パドレス戦5回4安1本3球7振 責0(93-64)
4月22日ドジャース戦5.2回6安3本2球6振 責2(101-66)
9日のレンジャーズ戦では5回7被安打2被本塁打自責点5で負け投手。開幕からの好調が途切れた。15日のパドレス戦は3回に満塁のピンチ、4回に2走者を出すも失点せず。5回は二死からマチャドにソロ本塁打を打たれただけだが93球と球数が嵩んでいたため、この回で降板。22日のドジャース戦では3被本塁打するなど5失点したものの失策が絡み自責点は2。防御率をやや落とした。