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高校生投手の150キロ台は「本当にスゴいのか」問題…センバツ甲子園で出た“まさかの結果”「豪速球でも痛打され失点…」守備も含めた技術も? 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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posted2025/04/05 06:00

高校生投手の150キロ台は「本当にスゴいのか」問題…センバツ甲子園で出た“まさかの結果”「豪速球でも痛打され失点…」守備も含めた技術も?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

センバツで注目された「速球派」健大高崎の石垣元気と東洋大姫路の阪下蓮の2投手だったが、いずれも本領を発揮することなく聖地を去った

 阪下に関しては3月1日の練習試合解禁日の初の対外試合を、筆者は取材していた。

 先発して2回を3奪三振、無安打と完璧に抑えていた。話を聞くと、開幕直前の練習試合でフォームを崩し、違和感を覚えたまま投げていると右ひじに痛みを感じたのだという。

 大舞台を控え最終調整に入る時期にちょっとした「黄色信号」を出しても、本人も頑張っているので、少々のことなら……と周囲は考えてしまうかもしれない。その痛みや違和感の「程度」も初期段階では測れない部分もあったのだろうか。

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 昨今のトレーニングの進化もあり、最近は高校生投手が150キロ台の速球を投げることも珍しくなくなった。だが、それだけの速球を投げるとヒジなどにかかる負荷も大きく、しっかりとしたフィジカルチェックやケアを手厚くしているチームも多い。

 スピードは投手の資質を測る上で最も分かりやすい数値だ。150キロを投げれば世間からの注目度が増し、周囲からの期待値も上がる。「もっと速い球を」という意欲を一層掻き立て、さらに腕を振る高校生も多いだろう。

「150キロが投げられる=好投手」なのか?

 もちろん一般論として、150キロを投げられる投手は高いポテンシャルを備え、プロに行ける逸材かもしれない。

 ただ、150キロを投げる=絶対的な好投手なのだろうか? 関係者に本音を尋ねると、聞こえてきたのは予想外な言葉の数々だった。

<次回へつづく>

#2に続く
「150キロはすごいけど…」なぜ “軟投派”エースたちはセンバツで活躍できた?「腕の振りがほとんど同じ」「コントロールとキレで勝負できる」

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