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「どうせ通信制でしょ、と言われますが…」センバツ初出場で話題「エナジックスポーツ高校」のナゾを追う…開校“わずか4年”で甲子園出場のウラ話

posted2025/03/21 06:00

 
「どうせ通信制でしょ、と言われますが…」センバツ初出場で話題「エナジックスポーツ高校」のナゾを追う…開校“わずか4年”で甲子園出場のウラ話<Number Web> photograph by Fumi Sawai

開校4年目で甲子園初出場を果たした沖縄・エナジックスポーツ高等学院。印象に残るカタカナ高名ではあるが、そのナゾの実情とはいったい…?

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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 3月18日に開幕した春のセンバツ高校野球。中でも注目を集めるのが、一風変わったカタカナ表記が印象に残るある初出場校だ。かつて多くの「旋風」を巻き起こした沖縄発の新鋭は、果たしてどんなチームなのだろうか。《NumberWebルポ全2回の1回目/つづきを読む》

 第97回選抜高校野球大会の出場校の発表があった1月24日。名護市の西部・瀬嵩にあるエナジックスポーツ高等学院は、多くの報道陣で賑わっていた。

「ビックリするくらいマスコミの方が多く来られていて。県内のテレビ局は……4社だったかな。この辺りは人が少なくてすごく静かな所なんです。野球の練習がない時は(学校の前にある海から)波の音が聞こえるほどなんですよ」

 ゆっくりとした語り口調でこう振り返るのは、かつて浦添商、美里工を率いて甲子園出場歴のあるエナジックスポーツの神谷嘉宗監督だ。

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 沖縄本島の北部・名護市。市街地のある西部から山道を越え、車を走らせること約15分。両側にあった緑が一気に開けると、青々とした海が目の前に広がり、更に海沿いを走って少し奥に入ったところに校舎はある。

校舎は廃校になった小学校を利用

 日本ハムが春季キャンプを張るエナジックスタジアム名護をはじめ、飲食店が並ぶ賑やかな名護市街から山を越え、学校のある西地区はいかにも沖縄らしい景色が広がるが、神谷監督は沖縄県土の特徴をこう明かす。

「沖縄は西部の方が栄えているんですよ。那覇市内もそうだけれど、島も東より西側の方が人も多いんです。ここも名護市街から東側で、手つかずの自然が多いけれど人口が少ない。特に子供の数が減っているのが現状ですね」

 レンガの小さな校門に掲げられた「エナジックスポーツ高等学院」の校名の隣に「名護市立久志小学校」という校名もあった。久志小学校は10年以上前に廃校となり、還元水や浄水器などをはじめとする医療・健康器具を開発・製造し、海外にも事業を展開するエナジックグループが校舎を買い取り、21年に開校した。

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#神谷嘉宗

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