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甲子園の風BACK NUMBER
高校生投手の150キロ台は「本当にスゴいのか」問題…センバツ甲子園で出た“まさかの結果”「豪速球でも痛打され失点…」守備も含めた技術も?
posted2025/04/05 06:00

センバツで注目された「速球派」健大高崎の石垣元気と東洋大姫路の阪下蓮の2投手だったが、いずれも本領を発揮することなく聖地を去った
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph by
JIJI PRESS
横浜高の優勝で幕を閉じたセンバツ甲子園。一方で、今大会は期待された「剛腕投手」がその本領を発揮できずに終わるケースが多かった。かつては衝撃をもって報じられた「150キロ台の直球」を投げる高校生も多い現代だが、果たしてそれは好投手の絶対条件なのだろうか?《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
横浜の19年ぶりの優勝で幕を閉じた今春のセンバツ大会。3番で主将の阿部葉太が攻守の軸となり、奥村頼人、織田翔希の2枚看板を中心に投手層の厚さも際立った横浜が前評判通りに春の頂点に立ち、プレッシャーをものともせず昨秋の明治神宮大会からの“秋春連覇”を達成した。
センバツで注目された好投手たち
一方で、今春のセンバツは多くの好投手が集う大会でもあった。
注目投手の筆頭格は石垣元気(健大高崎)と阪下漣(東洋大姫路)。石垣は昨年、健大高崎のセンバツ初優勝に貢献した1人で、昨秋は150キロ台中盤の剛速球を連発し、早い段階から世代を代表する右腕として名をはせてきた。
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阪下は昨秋の公式戦全12試合で防御率0.83を叩き出し、最速147キロの速球を糸を引くように操り、近畿大会、そして激戦となった明治神宮大会の準決勝の横浜戦でも完成度の高さを見せつけていた。
ところが石垣は大会直前の練習試合で左わき腹を痛め、「登板は厳しいのではないか」というニュースが耳に飛び込んできた。阪下は直前の練習試合で右ひじに違和感を覚え、初戦の壱岐(長崎)戦では先発するもわずか23球で降板し、2回戦でも登板はなかった。