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「『ベイスターズ買ってくれよ』って俺が言ったんだ」マルハの球団譲渡の真実…球史を裏で動かした“ハマのドン”藤木幸夫が独白する「野球愛」
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赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph byFujiki Kigyo
posted2025/04/02 11:22

左端が「ハマのドン」こと藤木氏。右端はかつての「ハマのプリンス」、当時監督の山下大輔。そして藤木氏の隣は…!?
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1時間以上のインタビューを終えて辞する時、藤木氏から感謝のしるしとして、藤木氏が終戦直後の1946年に創立した少年野球チーム・レディアンツのタオルを渡された。そこには藤木氏自らの筆で座右の銘「雲外蒼天」が書かれている。「雲から抜け出せば、そこには青空が広がっている。努力して試練を乗り越えれば、快い青空が望める」という意味だ。
藤木氏がサイン用の名言を教えたスーパースターとは…
「もう一つ、俺の好きな言葉に『美意延年』があるんだ。気持ちのきれいな人は長生きできるという意味だね。俺、シゲちゃんにそれを教えたことがある。サインする時は美意延年って書いたらいいよって。とくにお年寄りにはね」
シゲちゃんとは、あの長嶋茂雄さんのこと。現役時代にミスタープロ野球と呼ばれ、現在は巨人の終身名誉監督だ。長嶋さんとは、藤木氏の父親で藤木企業の創業者、熱烈な巨人ファンだった幸太郎氏の代からのおつきあいだそうである——。(文中一部敬称略)
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