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「『ベイスターズ買ってくれよ』って俺が言ったんだ」マルハの球団譲渡の真実…球史を裏で動かした“ハマのドン”藤木幸夫が独白する「野球愛」
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赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph byFujiki Kigyo
posted2025/04/02 11:22

左端が「ハマのドン」こと藤木氏。右端はかつての「ハマのプリンス」、当時監督の山下大輔。そして藤木氏の隣は…!?
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しかし、TBSが買収した2002年からの10年間、ベイスターズは暗黒時代に陥る。Aクラスは僅か1回、最下位は8回。あまりの惨状に、TBSから出向していたオーナーに対し、藤木氏が退陣を迫った、とも噂されている。が、藤木氏は笑って首を横に振った。
「それは人違いだね。そうでなきゃ作り話だよ。誰がそんなことを言ってるのか知らないけど、作り話がうまいね」
陰で横浜高校出身の選手をバックアップしていた!?
球界関係者の間では、藤木氏は時折、ベイスターズに何らかの影響力を行使していたのではとささやかれる。横浜高校とつながりが深いことから、筒香嘉智、すでにチームを去った倉本寿彦、荒波翔ら、横浜OBが藤木氏のバックアップを受けているのではないか、と勘繰る声も聞かれた。これについても、藤木氏は明確に否定した。
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「そんなこと、あるわけない。俺は野球について、何か人に頼んだことはないよ。頼まれたことならあるけどね。野球だとか、チームについて口出ししたことなんて一度もない。
ただ、ゲンさん(横浜高元監督の渡辺元智)とのつながりがあるからな。ゲンさんが選手について何か言うと、それは藤木が渡辺に言ってることなんじゃないかと思う人もいるのかもしれないね」
ただ、そんな都市伝説が流れること自体、藤木氏の存在感と影響力の大きさの証左とも言えるだろう。