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巨人電撃移籍リチャード「中田翔や筒香嘉智と同等、山川穂高超えのシーズン本塁打数」ソフトバンク“二軍の帝王”とスターの成績は紙一重だった
posted2025/05/14 11:05

巨人への電撃トレードが決まったリチャード。ソフトバンク二軍時代の成績は名だたるスラッガーと同等以上の成績を残している
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
ファームで5年連続本塁打王は史上最長
2017年沖縄尚学高から育成3位でソフトバンクに入団したリチャードだが、基本から鍛える必要があったので2年間は二軍さえ出場がほとんどなかったが、2020年にいきなりウエスタン・リーグの本塁打王。以後、2024年まで5年連続の本塁打王、これはファーム史上最長。2022年にはリーグ記録の29本塁打。打点王も4回。ファームではわずか402試合の出場で88本塁打。この間一軍では94試合で10本塁打だが、筑後のファーム本拠地では、すさまじい勢いでボールを飛ばすリチャードの打撃練習が一種の名物になっている。
二軍ではもうやることが無い印象なので、2024年の「現役ドラフト」にかかるかと思ったが、名前はなかった。
尊敬する同郷の山川穂高と毎年自主トレをやっているが、その山川が2024年にFAでソフトバンクにやってきたために、ポジションが被るリチャードは出番がなくなった印象だ。このままでは2025年中に通算本塁打2位になってしまいそうだが、二軍最強のスラッガーになりつつあるリチャードに日が当たることはあるのだろうか?(編集註:5月12日、ソフトバンクと巨人の間でリチャードと、秋広優人と大江竜聖の1対2交換トレードが成立した)
二軍のシーズン最多本塁打12人…リチャードは何位?
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後述するように、かつてのエリート選手は「二軍知らず」でレギュラーになり、そのままキャリアを終えたものだ。しかし選手層が厚くなった昨今は、どんな有望選手でも二軍のプレー経験を持っている。
ただ、スター選手は二軍で抜群の成績を挙げるとさっさとファームを卒業するのだ。それを象徴する数字が二軍の「シーズン最多本塁打」記録だ。