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「100%準備はできている」角田裕毅レッドブル昇格! トップチーム起用の真相をホーナー代表は「野望達成のための純粋な決断」《日本GPでデビュー》

posted2025/03/28 11:04

 
「100%準備はできている」角田裕毅レッドブル昇格! トップチーム起用の真相をホーナー代表は「野望達成のための純粋な決断」《日本GPでデビュー》<Number Web> photograph by Getty Images / Red Bull Content Pool

昨年12月の最終戦アブダビGP後、レッドブルの2024年型RB20でテスト走行した際の角田

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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 3月27日、レッドブルが第3戦日本GPよりドライバーに角田裕毅を採用すると発表。日本のモータースポーツ史に新たな1ページが刻まれた。

 日本人がドライバーズチャンピオンを輩出したことがあるチームにレギュラードライバーとして所属するのは、中嶋悟(1987−89年/ロータス)、片山右京(93−96年/ティレル)、高木虎之介(98年/ティレル)、中嶋一貴(07−09年/ウィリアムズ)に次ぐ5例目だ。だが、前年にドライバーズタイトルを獲得したチームで日本人がレースをするのは、今回の角田が初めてとなる。

 F1で表彰台を獲得した日本人は過去に3人いる。鈴木亜久里(90年/ラルース)、佐藤琢磨(04年/B.A.R)、小林可夢偉(12年/ザウバー)。いずれも成績は3位。3人ともトップチームの所属ではなかったことを考えると、角田に彼ら以上の期待を抱くのは当然だ。

レッドブル・グループの特殊事情

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 角田はなぜ、レッドブルのシートを手にいれることができたのか。そこには、レッドブルと前戦中国GPまで角田が所属していたレーシング・ブルズ(RB)の間に存在する、ほかのチームにはない特殊な関係が大きく影響している。

 レッドブルとRB゙は2つの独立したチームだが、母体はどちらもオーストリアの飲料メーカー「レッドブル」グループだ。この2チームは姉妹チームと呼ばれ、さまざまな連携が行われている。その中のひとつがドライバー選定だ。通常のチームはレギュラードライバーを2人しか選択できないが、レッドブル・グループは4人のドライバーを選んだのちに、誰をどのチームに乗せるか決めている。そのため、4人の中で成績が奮わないドライバーが出てくると、2チーム間で交代してきた例が過去に何度かある。

 今回の角田のレッドブル起用も同様だ。昨年レッドブルでチャンピオンのマックス・フェルスタッペンのチームメートを務めていたのはセルジオ・ペレスだった。しかし、ペレスは昨シーズン後半から不振に陥り、最終戦アブダビGP後の早期退団が決定。同時に25年のフェルスタッペンのチームメートを誰にするかという議論が始まった。

【次ページ】 ドライバー交代決断の理由

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