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日本一も「納得いかない1年だった」DeNA牧秀悟に筒香嘉智が伝えた“苦しい時のキャプテン像”とは…今季は「成長した姿を開幕戦から見せる」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byNaoya Sanuki
posted2025/03/24 11:02

キャプテンとして2年目を迎える牧秀悟が、昨季の学びと今季への決意を聞かせてくれた
「佐野さんは常に寄り添ってくれて相談を聞いてくれましたし、ゴウ(筒香)さんは、自分の経験をいろいろと話してくれました。とくにゴウさんはチームがまだ弱い時期にキャプテンをしていたので、そのとき自分はなにをしていたのか、そして苦しい状況でなにをすべきなのかを教えてもらってすごく納得することができたんです」
筒香から学んだリーダーの“言葉力”
牧はキャプテン就任時「行動や背中で引っ張れる存在になりたい」と語っていたが、筒香からリーダーとして絶対に必要なことだと学んだのは“言葉力”だった。それは牧にとって目から鱗だったという。
「場面場面の言葉の選び方であったり、それこそどういう表情、口調で発すればいいのか教えてもらって本当に参考になったんです。ただ思ったことを伝えるだけではダメなんだって」
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個性豊かな集団をまとめる適切な言葉と、絶妙なコミュニケーション。そんな牧の成長を一歩引いた場所で見つづけてきた、ブルペンのまとめ役である山﨑康晃は次のように語る。
「昨年は、いろいろな“耳”を持つようになって、あらゆる調整をしてくれましたよね。牧にピッチャー陣からの意見を伝えたり、逆に野手のマインドについて訊くなど、本当によく話すようになりました。今まで以上にチームのことを考えてくれるようになったし、とくにあの日本シリーズのミーティングなんかは、自分から先輩に意見を話して欲しいなんて言うのは勇気のいることだと思うんです。そういう意味では本当“キャプテン”って感じになりましたよね」
裏で支えてくれた仲間と家族
もちろん時にはガス抜きも必要であり、そんなときは山本祐大や知野直人といった同学年の気の置けない仲間と食事に行き、チームメイトの前では発言できないことも忌憚なく話したと牧は言う。
「弱音も含めて、二人には本音をぶちまけていましたね。また二人も各々思うことがあって、それをお互い聞くことで、いい意味でスッキリとして次の日に入れることもありました」
そして苦しい時期をフォローしてくれた存在として忘れてはいけないのが家族である。牧は昨年6月に第一子を授かり、育児においても大変な時期だったが、そこは夫人に支えられたという。