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「僕は生意気だったかと」休み返上シュート特訓…“W杯最速切符の原動力”FW小川航基を変えた青春の日々「ハチ君、イイっすか?」ジュビロ先輩GKに感謝

posted2025/03/27 11:51

 
「僕は生意気だったかと」休み返上シュート特訓…“W杯最速切符の原動力”FW小川航基を変えた青春の日々「ハチ君、イイっすか?」ジュビロ先輩GKに感謝<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

日本代表でゴールを奪う一方で、様々な思いを自らに持つ小川航基。そんな彼の土台になっているものとは

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph by

Kiichi Matsumoto

 サッカー日本代表FW争いを繰り広げる小川航基(NECナイメヘン)のインタビュー続編。1年間で最もコンスタントにゴールを奪った27歳にオランダでの現状と、Jリーグ時代に培った縁と土台について聞いた。〈NumberWebインタビュー/全4回。第3回へつづく〉

短い時間で…自分に物足りなさを感じます

 小川航基は2024年の日本代表で6ゴールを挙げた。その貢献度は高い。W杯最終予選を3試合残し、世界最速で本戦出場権の切符を獲得するなど、日本代表が過去最高ペースで勝ち点を積み重ねる原動力になった。しかし、本人の中で悔しさや歯がゆさを感じていたという。 満足していないのには理由がある。

「例えば、1−0のままで逃げ切りたいシーンで僕が投入されたときを考えると、前から激しくプレスをかけたり、攻撃の起点になってしっかりと時間を作ったり、チームの助けになることが求められると思うんです。『コイツは10分しか出ていないのに、短い時間を何とかしてやろうとしているのか!』と伝わるような泥くさいプレーを見せないと。

 確かに(最終予選アウェーでの)サウジアラビア戦やバーレーン戦などは自分の良さを出せたと思います。でもホームのオーストラリア戦(△1−1)や、僕にとって(実質的な)初代表だった北朝鮮戦(〇1−0)などで、短い時間で何を見せられたかというと……。物足りなさを感じます」

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 それだけではない。途中出場が多い状況に不満そうな態度を一切見せたことはないとはいえ——アスリートとしての根源的な悔しさは一時も忘れたことはなかった。

「代表ではスタートから出た試合は限られていましたから。もちろん、選手である以上は先発でプレーしたい。悔しい思いは本当にたくさんしましたよ」

「鼻につくヤツ」と感じていた先輩もいたのでは

 小川とは悔しさを成長する養分にしてきたストライカーである。自身の若い頃を、こんな風に振り返る。

「当時から、試合中に僕が要求しているところと違うパスが来たら、『俺はここでパスをもらいたいんです!』とよく言っていましたからね。『○○なゴールを決めたい』と思い、そのためにはそこでパスをもらうのがベストだと考えた上で要求していたわけですけど、『鼻につくヤツだな』と感じていた先輩はいたと思いますよ。そのあたりは難しいところではありますけど」

【次ページ】 「ハチ君、イイっすか?」「おー、えぇで!」

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