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長与千種の付き人を務めた“あのアイドルレスラー”は今…全女引退→覆面で復帰も、小倉由美（57歳）が天ぷら割烹の女将になるまでの波乱万丈
posted2025/02/21 11:18
全日本女子プロレスでデビューし、ドラマ「輝きたいの」にも出演した元女子プロレスラー・小倉由美さんのインタビュー（最終回）
text by
伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph by
L)Shiro Miyake、R)東京スポーツ新聞社
クラッシュ・ギャルズの長与千種の付き人を務め、自身も“アイドルレスラー”として人気を博した元女子プロレスラー・小倉由美さん。全日本女子プロレス引退から、老舗天ぷら割烹の女将になった現在までを聞いた。《NumberWebインタビュー最終回／第1回、第2回も公開中》
女子プロレスの世界から身を引いたのは、もう30年以上も前。スポットライトを浴びていた小倉さんは引退後、飲食店を転々として、同業者の男性と結婚。すでに、1男2女の子育てを終えている。現在は、東京・大森で創業60年以上も続く老舗店「天ぷら割烹 天冨久」の2代目の大将である夫と、店を切り盛り。57歳になったいまも、その美貌は変わらない。
◆◆◆
――全女には3禁（酒、たばこ、男性との交際）がありましたが、小倉さんには婚約者がいて、結婚をするために1990年に引退しましたよね。ということは、3禁を破っていたということですか。
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小倉 そうです、全部（笑）。相手の方とは、19歳ぐらいから3年間一緒にいましたね。
――結婚を前提としていたのに、別れてしまった。
小倉 そうです。すでに彼氏と向こうのご両親と弟さん、その子どもとの6人で暮らしていたのですが、家族げんかの末に別れたんです。
――破局したけど、すでに発表している引退を撤回できないから、とりあえず辞めた。そして、覆面ウーマンの「ハイパーキャット」となって全女マットに戻ってきた。
小倉 そう、そう。（松永高司）会長には、「戻れるようにします」って言って、がんばって10kgぐらい痩せたんですよ。結婚がなくなっちゃったんで、もう次がない。だから変な話、次（の就職先）が決まるまではプロレスをやろうみたいな、そんな感じでした。
――会長は「来る者拒まず、去る者追わず」だから、早期復帰を受け入れてくれたでしょうが、先輩たちはどうなんでしょうか。
小倉 やっぱり“洗礼”がありますよね。総シカトされてましたよ。それまで逃げたことがなく、そういう経験（総シカト）はなかったので、余計に怖かったです。昭和の全女が残ってましたね、ガチガチの。
――ハイパーキャットとしては、1年ほどやりましたかね。
小倉 はい。次の職場が決まって、辞めたんです。プロレスを応援してくれる方がいて、今度お店を立ち上げるから、そこの店長になってくれないかっていうことで。店長じゃなかったですけどね、結局。24歳くらいで飲食店で働きはじめたのが、一般職の最初です。引退式の翌日にもう、青物横丁の事務所で働いてましたよ。
プロレス引退→天ぷら割烹の女将になるまで
――いまのご主人と出会うきっかけを教えてもらえますか。
小倉 その会社を辞めた後、（元全女の小松原）浩美ちゃんの居酒屋に就職する形になったんです。私が店のそばにあった大田市場で仕入れをしていると、主人と鮮魚の仲買さんが一緒だったんで、あいさつをする仲になって。
