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「宇野ちゃんの瞳孔が開いてる…」対戦相手だった小倉由美が打ち明ける、“北斗晶の頸椎骨折”の真実「ボルトでつながれた姿を見た私は…」

posted2025/02/21 11:16

 
「宇野ちゃんの瞳孔が開いてる…」対戦相手だった小倉由美が打ち明ける、“北斗晶の頸椎骨折”の真実「ボルトでつながれた姿を見た私は…」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

全日本女子プロレスでデビューし、ドラマ「輝きたいの」にも出演した元女子プロレスラー・小倉由美さんのインタビュー(第2回)

text by

伊藤雅奈子

伊藤雅奈子Kanako Ito

PROFILE

photograph by

Shiro Miyake

クラッシュ・ギャルズの長与千種の付き人を務め、自身も“アイドルレスラー”として人気を博した元女子プロレスラー・小倉由美さん。間近で触れた80年代の全日本女子プロレスの熱狂、そして対戦相手として向き合った北斗晶との“あの日の真実”を明かす――。《NumberWebインタビュー2回目/3に続く》

クラッシュ・ギャルズ、極悪同盟らによって、1985年に女子プロ黄金時代が到来した。以降、全女への入団希望者は毎年1000人を超えた。全国からスポーツエリートが集まって、難関を突破。選手数は常に飽和状態で、新人も中堅も居場所を奪われまいと必死だった。そんななか行われたのが、87年4月27日の大阪府立体育会館第1競技場でのWWWA世界タッグ王座選手権戦。小倉さんがかけたツームストン・パイルドライバーで、2年後輩の宇野久子(現・北斗晶)が首の骨を折ったのだ。

◆◆◆

――連日「大入り袋」が出ていた昭和の全女は、ファンも熱かったですよね。

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小倉 そうですね。私は入場するときの花道で、思いっきり水着のなかに(胸を狙って)手を入れられたことがあって、振り向きざまに殴っちゃいました。

――殴った相手が犯人で合っていたんですか。

小倉 合ってました(笑)。振り向きざまに相手の歯を殴っちゃって、いまだに痕が(指の関節に)残ってますよ。「うわー、神経みたいなのが見えてる」と思いながら、水でさっと洗って、テープを貼ってたんですけど、朝起きたら象さんみたいに腫れてて。出発前にあわてて病院に行ったら、お医者さんから「なんですぐに来ないんだ!」って怒られました。抗生物質をもらって、すぐに治まりましたけど。

ファンの投げた生卵がデビル雅美に直撃し…

――エピソードのすべてがハードパンチすぎます(笑)。ファンも、関西地方はかなり過激だったと聞きますが。

小倉 関西は違いましたね。沸きやすいので試合はやりやすいんですけど、もう(客が)リングに上がってくる勢いなんですね。特に、ダンプさんの試合では。

――私は、生卵を投げるファンを目撃しました。

小倉 生卵といえば、デビル(雅美)さんにぶつかっちゃったことがあったんですよ。お客さんはきっとダンプさんに投げたつもりだったと思うんですけど、デビルさんに偶然当たっちゃった。ものすごい怒ってしまって、「怖い!」と思いました。もう、ブチギレですから。試合前で、「誰だ? 探してこい!」って言われたんですけど、自分たちは(リング内の)先輩を見てるので、うしろから投げられたものは知らないわけですよ。

――捕まえようがない。

小倉 そう、探せない。デビルさんは、ブチギレながら試合してました。私たちは、「(デビルのマストアイテムである)般若のお面を取っても般若じゃん」とか思いながら(笑)。もう、ひたすら怖かった。

――大阪といえば、事故について聞いてもいいですか。

小倉 はい。大丈夫ですよ。

【次ページ】 「宇野ちゃんの瞳孔が開いてる。救急車を呼ぼうと…」

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