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大谷翔平に4年ぶりのLINE「久しぶり、覚えてる?」その返事とは? 高校日本代表の同僚・大谷に“ある相談”、岡野祐一郎が中日のドラフト指名を受けるまで―2024下半期読まれた記事
posted2024/12/21 11:00
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Nanae Suzuki
2024年の期間内(対象:2024年9月~2024年12月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。大谷翔平世代部門の第3位は、こちら!(初公開日 2024年9月21日/肩書などはすべて当時)。
中学時代は補欠も、聖光学院でエースになり甲子園出場も果たした岡野祐一郎。「プロ野球選手」が現実的な目標となった青山学院大時代、高校日本代表のチームメイトだった大谷翔平に意を決してLINEを送る。「久しぶり、覚えてる?」。【全4回の3回目/1~2、4回も公開中】
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東北の夏は短い。春の東北大会が終わると、1カ月後にはもう夏の大会に突入する。最後の夏、聖光学院は県内の公式戦連勝記録を76まで伸ばし、6年連続で夏の甲子園出場を決めた。ただ、甲子園は選抜大会と同じパターンだった。初戦は岡野祐一郎の力投で日大三に2−1と勝利したものの、2回戦の浦和学院戦は4−11と大敗してしまう。
甲子園球場はネット裏のスコアボードに球速が表示されるのだが、この日の岡野の球速はいつもより10キロ近く遅かった。
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「初戦は140キロぐらい出ていたのに、2回戦は思い切り投げても132くらいで。あれ? って思ってたらボコボコに打たれましたね。でも初戦、調子よかったのが奇跡的だったんです。あの夏、聖光は負けられないって勝手に思い過ぎて、調子が悪かったんですよ」
「こんなんなるとは…」高校日本代表に
浦和学院に負けた日の夜、岡野は部長の横山博英に呼び出された。そして、福島に帰っても実家には戻らずに学校に残って練習を続けるよう指示を受ける。甲子園の後に控えていたU18世代の世界大会、AAA世界野球選手権の日本代表に岡野が内定したのだという。ただ、正式発表までは他人に漏らさぬよう口止めされた。岡野が回想する。