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「巨人は大金を使った補強になってない」元セ・パ本塁打王の解説者がズバリ本音「大きなピースはライデル」失った中日の不安点は守護神より…
posted2024/12/30 06:06
text by
間淳Jun Aida
photograph by
Hideki Sugiyama/JIJI PRESS
大城の起用法に疑問、石川の獲得失敗も痛手
今オフのストーブリーグでは、セ・リーグ王者の巨人が積極的な補強に動いている。ライデル・マルティネス投手(中日→)、甲斐拓也捕手(ソフトバンク→)と実績のある選手を補強したが――そこに「大金を使っただけの補強になっていない」と指摘するのは、でセ・パ両リーグで本塁打王に輝いた実績を持つ野球評論家の山崎武司氏だ。
「甲斐は守備力が高い一方で打力は落ちるので、相手バッテリーは気持ちにゆとりが生まれます。巨人は打撃に目をつぶって甲斐を使い続けるのか。甲斐を固定した場合、大城(卓三)の起用法をどうするのか。捕手が巨人の補強ポイントだったのか疑問が残ります」
山崎氏が巨人にとっての痛手に挙げるのは、ソフトバンクからFAとなっていた石川の獲得失敗である。
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先発ローテーションの一角を担う力があることから、菅野の穴の一部を埋める計算ができたという。楽天時代のチームメートで、こちらも巨人入団が決まった田中将大には復活を期待するものの、1年間ローテーションを守って2ケタ勝利をクリアする活躍を望むのは難しいと考えている。
ジャイアンツブランドは消えた
そして、ライバル球団の阪神で4番に座る大山を獲得できなかったことについては、「ジャイアンツには、そこまで必要な選手だとは思いません」と切り出し、こうも話した。
「大山とは、よくバッティングの話をしてかわいい存在ですが、ちょっと給料をもらい過ぎている印象です。出塁率の高さでチームに貢献しているとは言え、ジャイアンツが提示したとされる金額(推定6年24億円以上)であれば、打率3割、本塁打30本が期待されるライン。どちらも達成したことがない大山には高いハードルとなります」
同一リーグの球団から主砲を獲得すれば、相手の戦力を下げる効果はある。だが、自球団の戦力アップを目指すのであれば、山崎氏は「別のお金の使い方をした方が良い」と話した。
巨人は今オフ、FA戦線では甲斐1人の獲得にとどまり、1勝2敗と負け越した。各球団の主力が毎年のように加入した、かつての状況とは変わっている。FAによる新戦力は、DeNAから梶谷隆幸外野手と井納翔一投手の2人を補強した2020年のオフ以来4年ぶりとなる。