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日ハム・五十幡亮汰はなぜ“ドラフト2位”指名だった?「あれだけの足があるのに…」 記憶に残るスカウト評 プレミア12で代表大抜擢「ホントの理由」 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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posted2024/11/24 11:06

日ハム・五十幡亮汰はなぜ“ドラフト2位”指名だった?「あれだけの足があるのに…」 記憶に残るスカウト評 プレミア12で代表大抜擢「ホントの理由」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2020年ドラフト2位指名で日ハムに入団した五十幡亮汰。快足選手としてプレミア12日本代表でも活躍するが、当時のリアルスカウト評は…?

 そんなことを思い出していた時に遭遇したのが、18日のドミニカ戦、9番ライト・五十幡選手のタイムリー2点二塁打の報だった。

 この試合は直接見てはいなかったので、新聞紙上のテーブルを見たら、5打席目にタイムリー二塁打を放つまでの五十幡選手は、三振2つに内野フライと外野フライが1つずつ。

 一世一代の国際試合、ジャパンのユニフォームに身をかためた晴れ舞台である。きっとどの打席も渾身のフルスイングを繰り返し、最終の5打席目で、結果に結びつけてみせたのだろう。

 毎年ドラフトの後には、必ずといってよいほど、その「答え合わせ」がファンの間やインターネット上で、盛んに交わされる。

 あの選手は、どうして1位だったのか、2位でも獲れたのではないか。逆に、どうして2位まで残っていたのか……等々。

 スカウトの方たちの見解は、

「現場からのリクエストが即戦力のショートだったら、仮に大谷翔平がいても、何がなんでも1位は即戦力のショートに決まってるじゃありませんか」

 ドラフトは実力番付ではない。チーム事情が人選を決める。

なぜ五十幡は「2位指名」だったのか?

 スッと胸に落ちる見解をいただいたことがある。

 少し前のコラムの「横浜DeNA・牧秀悟選手は、どうしてドラフト1位ではなかったのか?」でも触れたが、五十幡選手は中央大で牧選手と同期生。当時も、「牧秀悟、なぜ2位?」の議論はいろいろあったし、また、逆の意味で、「五十幡亮汰、なぜ2位?」も問われていた。

 そういえば当時の関係者の方が、こんな話をしていた。

 2020年・秋、すでに翌年のシーズン終了時に、新庄剛志氏の日本ハム新監督就任の準備が始まっていたという。

「新庄監督が機動力野球をやりたいっていうのは、聞こえてきていたからね。足の速い選手がほしかった。あの年、ウチは盗塁数がリーグ最低だった(48盗塁)。優勝した西武(134盗塁)の3分の1ですよ」

 チーム防御率は3.76。投手陣の状況も逼迫していたから、1位は地元・北海道の伊藤大海(苫小牧駒澤大)。これは、決定事項だったという。

【次ページ】 野球は「スラッガーを9人並べても勝てない」

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