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ぶら野球BACK NUMBER
「ジャイアンツはこんなに“練習しない”球団なんだ…」40歳落合博満が巨人初キャンプで厳しい本音「中日よりもロッテよりも…練習量は半分以下」
posted2024/10/19 11:01
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
BUNGEISHUNJU
あれから30年。巨人にとって落合博満がいた3年間とは何だったのか? 当時を徹底検証する書籍「巨人軍vs.落合博満」が発売され、即重版と売れ行き好調だ。その書籍のなかから、「40歳落合、巨人での初キャンプ」を紹介する。「ジャイアンツはこんなに練習しないのか…」落合が漏らした思わぬ本音とは?【全2回の後編/前編も公開中】
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<FA移籍を巡って球界関係者から怒りや不快感の声があがった。そんななか40歳の落合博満は和歌山県太地町で、正月明けに例年より早い自主トレを始動させていた。>
原辰徳「オレが落合さんを立てれば…」
来るべき新シーズンに向けて、長嶋監督は背番号60に「100試合、打率2割7分、20本塁打、70打点」と現実的な数字をノルマにあげたが、落合は「それじゃあ、来年はクビになっちゃうよ」なんてうそぶき、フジテレビの『プロ野球ニュース』で「今年も三冠王を狙いますよね」と問われ、「そういう気持ちが失くなったら、ここ(記念館)の館長をやってますよ」とニヤリ。1月20日には、テレビ朝日の時代劇「桃太郎侍Ⅲ」に子連れ浪人役・山田市之進として、息子とともに特別出演。バットを刀に持ち替え、20人相手に大立ち回りを演じてみせた。
マイペースのオレ流・落合と背水の若大将・原は、1月23日によみうりランドで開催された球団行事「GO! GOジャイアンツ」で巨人移籍後初めて顔を合わせると、周囲の心配をよそになごやかに談笑した。「僕とシノさん(篠塚)が落合さんを立てれば、チームはうまくまとまっていくと思うよ」と原は大人の対応で、5歳上の落合を立てたのだ。
「巨人は何て練習しない球団なんだ…」
チームがキャンプ地の宮崎入りした1月31日には、中畑打撃コーチが同い年の落合の部屋を訪ね、「オチのほうから(他の選手に)近づいてやってくれ。何かあったら、オレが橋渡しをするよ」と気を遣った。その夜のミーティングでは、落合自ら新しい同僚たちに向かって挨拶をしている。
「40歳の私から学ぶものがあったら学んでほしい。私も、皆さんから学ぶものがあれば学んでいきたい」(週刊ベースボール1994年2月21日号)
2月1日のキャンプイン初日には、松井秀喜が右背筋痛で宮崎入りできなかったにもかかわらず、243人の報道陣が背番号60目当てに詰めかけた。