核心にシュートを!BACK NUMBER
“サウジ戦、試合前に勝負あり”記者が確信「日本代表サポ10人ほどに…」森保監督とサブ組の“テレビに映らない”真相「その上で1つに、ね」
posted2024/10/14 17:02
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
REUTERS/AFLO
約2時間前に日本代表は会場に着いていた
最終予選の大一番は、試合前から勝負の行方が決まっていた。
サウジアラビアとのアウェーゲーム当日、日本代表は普段よりもかなり早くスタジアムに到着した。チームを乗せたバスが到着するやいなや、ピッチとスタンドを見ながら試合のイメージトレーニングをすることの多い堂安律や、試合前後の過ごし方にいつも余裕がある板倉滉などがピッチに足を踏み入れた。彼らがルーティン通りにピッチに出てきたのは、キックオフのおよそ“1時間55分も前”のことだった。例えば、アジアカップ最後のイラン戦と比べても、15分ほど早かった。
キング・アブドゥラ・スポーツ・シティ・スタジアムは難攻不落の会場として知られる。サウジアラビアの戦績は11勝3分で負けなし。ただ、アクセスは悪く、電車やバスなどの公共交通機関でたどり着くことは不可能に近い。自家用車かタクシーか、Uberなどの配車サービスを使わざるを得ない。十分な駐車場は用意されているとはいえ、試合前に渋滞が起こりがちだ。
スタジアム入りを前に渋滞にハマっていら立ちを募らせるくらいなら、かなり早く着いたとしても、試合前の時間を有意義に使うべし。勝利をつかむことになる集団はそういう思考で、大切な試合に向けて準備を進めた。
森保とマンチーニ、両指揮官の意識が…
そんな状況も手伝ってか、森保一監督も、ウォーミングアップが始まる前にピッチへ出てきた。そして、コーナーフラッグ付近まで歩いていき、遠くサウジアラビアまでかけつてきたサポーター席に近づき、ねぎらいと共闘を呼びかける声をかけた。最終的には100人ほどが詰めかけたサポーター席には、この時はまだ10人ほどしかいなかったが、後から来た同士たちにも監督のメッセージは伝えられたはずだ。
指揮官が“試合後”にスタンドの前まで足を運んで挨拶をする姿は有名だ。一方、“試合前”に同様の挨拶ができるかどうかは、その日のスケジュールにもよる。ただ、スタジアムに早く着いたのであれば、普段はできないことをしよう、と監督でさえ考える。それが日本代表の強さである。
翻って、サウジアラビアはどうだったか。