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日本代表vsオーストラリア「体調不良・遠藤航の代役、右サイドは?」予想スタメンより…得点源かつ“実は守備の課題”CKに記者が注目するワケ
posted2024/10/15 06:01
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
日本代表のCKのデータを見ると興味深い
オーストラリアがどのような戦いを挑んでくるのかは見えないところがある。トニー・ポポビッチ監督が就任してから、中国とのホームゲーム1試合をこなしただけだからだ。
ただし……。かなり高い確率でコーナーキック(CK)での守り方は中国戦で見せたように「ゾーンディフェンス」を基本としてくるはず。この短期間に、守り方を変えてくるのは現実的ではない。
そんな試合を前にCKをメインテーマにしているのは、今回の最終予選で日本がCKからの出色の成績を残しているからだ。その価値や凄みを理解するために、今年初頭のアジアカップや世界最高峰の欧州チャンピオンズリーグ(CL)のデータと比較したい。
・アジアカップの全チームによる計132ゴールのうち、CKからゴールが決まった割合:6%
・日本が今回の最終予選でCKから決めている得点の割合:14.3%
・アジアカップの全CKからゴールが生まれた割合:60本に1ゴール(1.7%)
・CLでの全CKからゴールが生まれた割合:40本で1ゴール(2.5%)
・日本が今回の最終予選で得た全CKからゴールにつなげた割合:14本で2ゴール(14.3%)
(※CKからのゴール割合のデータは森保一監督が読売新聞のポッドキャスト番組に出演したときに言及したもの)
日本が非常に高い成績を記録しているのは一目でわかる。
マンツーマンとゾーン、異なる守り方からゴールを
さらに興味深いのは、日本の2得点で、相手の守り方が異なる点だ。
中国は各選手が誰のマークにつくのかを決める「マンツーマン」を基本として、サウジアラビアは、危険になりそうなエリアに人を置いて跳ね返す「ゾーン」を基本とした守り方だった。
両方のパターンを攻略しているというのも、プラス要因だろう。ここからは各ゴールについてもう少し詳細に見てみたい。
まず、中国戦の得点について。得点者の遠藤航をフリーにさせるために、板倉滉と町田浩樹が遠藤をマークしていた選手をブロックしたのがキーだった。
実は、遠藤のCKに合わせる能力は非常に高い。アジアカップのイラク戦でもCKから得点をしているし、ブンデスリーガでは2021年2月のシャルケ戦でCKから1試合2ゴールを決めたこともある。また、昨シーズンのリバプールでも、多くの場合、CKの際にペナルティーエリアに入る6人のうちの1人に選ばれていた。
中国戦後、遠藤はこんな感想を漏らしている。