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ソフトバンク独走V立役者は山川穂高や近藤健介、モイネロだけでなく…「復調の先発陣+期待の生え抜き野手」だったのが成績でクッキリ
posted2024/09/26 11:06
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
福岡ソフトバンクホークスが、2位北海道日本ハムファイターズに11.0ゲームの大差をつけて、南海時代から通算で22回目のリーグ優勝を果たした。敵地京セラドームで、昨年までリーグ3連覇していたオリックス・バファローズを9-4で下して決め、優勝の美酒に酔った。
得失点、各球団対戦成績…すべてが改善
今季、監督は藤本博史から小久保裕紀へと代わったが、3位に終わった昨年と戦力的にどの部分が変わったのか、数字で見ていこう(※以下すべて9月24日終了時点)。
【チーム成績】
・リーグ順位
2023年 143試71勝69敗3分 率.507/3位
2024年 135試85勝47敗3分 率.644/1位
8試合を残した段階で、昨年よりも14多く勝利数を積み上げ、敗戦数は22少なかった。勝率.644は、リーグ4連覇中だった2017年の.657(94勝49敗)以来の高い勝率だった。
・得失点
2023年 536得点(1位)507失点(4位)
2024年 577得点(1位)369失点(1位)
得点は昨年もリーグ1位だったが、さらに数字を伸ばした。また失点は昨年よりも138も減らすことができた。「投高打低」と言われる中、打線を強化するとともに投手力を大幅に立て直したことが、優勝につながったといえよう。
・対戦成績 ※2023年→2024年
オリックス 11勝13敗1分→16勝6敗1分
日本ハム 14勝11敗→11勝11敗1分
ロッテ 12勝12敗1分→15勝8敗1分
楽天 10勝14敗1分→15勝9敗
西武 13勝12敗→16勝7敗
交流戦 11勝7敗→12勝6敗
オリックス戦で大きく勝ち越したのをはじめとして、日本ハムとの対戦が五分なのを除き、すべての球団に大勝した。
投手陣:モイネロの先発転向が利いた
つづいては投打の成績を見ていこう。まずは投手から。
【投手成績】※カッコ内はリーグ内順位
2023年71勝69敗33S(5)/129H(5)1279.2回1068振451球 率3.27(4)
2024年85勝47敗39S(1)/105H(2)1218.0回1045振355球 率2.53(1)
防御率がリーグ1位に。投手陣はしっかり整備された。
〈2023年〉※PRはリーグ防御率に基づく総合指標
・先発
石川柊太23登4勝8敗0S/0H 125.2回 責58率4.15PR-13.89
有原航平17登10勝5敗0S/0H 120.2回 責31率2.31PR11.33
大関友久17登5勝7敗0S/0H 104.2回 責34率2.92PR2.73
和田毅21登8勝6敗0S/0H 100回 責36率3.24PR-0.94
東浜巨17登6勝7敗0S/0H 99.2回 責50率4.52PR-15.12
板東湧梧30登5勝4敗0S/1H 83回 責28率3.04PR1.06
スチュワート・ジュニア14登3勝6敗0S/0H 77.1回 責29率3.38PR-1.93
・救援
藤井皓哉34登5勝3敗0S/9H 69.2回 責18率2.33PR6.39
オスナ49登3勝2敗26S/12H 49回 責5率0.92PR12.17
津森宥紀56登4勝4敗0S/22H 48.2回 責19率3.51PR-1.92
松本裕樹53登2勝2敗0S/25H 47回 責14率2.68PR2.48
甲斐野央46登3勝1敗2S/8H 42.2回 責12率2.53PR2.96
大津亮介46登2勝0敗0S/13H 40.2回 責11率2.43PR3.28
田浦文丸45登2勝1敗0S/7H 34回 責9率2.38PR2.93
又吉克樹32登2勝2敗0S/10H 28回 責7率2.25PR2.82
モイネロ27登3勝0敗5S/13H 27.2回 責3率0.98PR6.69
千賀滉大のMLB移籍の穴はあまりにも大きく、エース不在。新加入の有原が安定感ある投球だったが、彼も含め規定投球回数に到達した投手はいなかった。結局、この年の投手陣で最もPRの数字が大きかったのはクローザーのオスナだった。救援陣は強力だったが、肝心の先発でオリックスに大きく見劣りがしていた。
その陣容と成績が2024年、どのように変化したのか。