酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ソフトバンク独走V立役者は山川穂高や近藤健介、モイネロだけでなく…「復調の先発陣+期待の生え抜き野手」だったのが成績でクッキリ
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2024/09/26 11:06
通算22度目の優勝を果たしたホークス。小久保裕紀監督(右端)率いるチームが独走優勝を果たした要因を成績からひもとく
〈2024年〉
・先発
有原航平24登13勝7敗0S/0H 167.2回 責45率2.42PR12.11
モイネロ24登11勝5敗0S/0H 158回 責34率1.94PR19.84
大関友久20登8勝4敗0S/0H 122.1回 責34率2.50PR7.75
スチュワート・ジュニア19登8勝4敗0S/0H 115回 責26率2.03PR13.29
大津亮介18登6勝7敗0S/0H 113.1回 責38率3.02PR0.63
石川柊太15登7勝2敗0S/0H 63.1回 責18率2.56PR3.59
東浜巨10登3勝2敗0S/0H 52回 責18率3.12PR-0.29
和田毅5登2勝2敗0S/0H 24.2回 責11率4.01PR-2.58
・救援
ヘルナンデス47登3勝3敗2S/21H 47回 責12率2.30PR4.02
杉山一樹46登4勝0敗1S/10H 46.2回 責9率1.74PR6.90
松本裕樹50登2勝2敗14S/23H 46.2回 責15率2.89PR0.93
藤井皓哉40登2勝1敗1S/19H 40回 責8率1.80PR5.64
津森宥紀45登4勝2敗0S/16H 39.1回 責10率2.29PR3.41
又吉克樹37登0勝1敗0S/4H 38.2回 責16率3.72PR-2.79
オスナ34登0勝2敗20S/5H 33.1回 責13率3.51PR-1.63
昨年、左肘関節炎で戦線離脱したモイネロが先発転向。これが見事に当たり、有原と二枚看板となる。さらに、制球が定まらずに期待を裏切ってきたスチュワート・ジュニアが本領発揮、大関もイニング数を伸ばし、安定感のある先発陣となった。千賀の穴を1年がかりでモイネロが埋めるとは、まったく意外な展開ではあった。
ただNPB最高年俸のオスナは戦線離脱、下半身の不調を理由に一時帰国した。その穴を松本裕樹が辛うじて埋めた。また昨年、モイネロの代役で獲得した左腕ヘルナンデスが予想以上の好投を見せた。
藤井、津森と中継ぎ陣も健在で、先発陣が充実した分、成績を押し上げた印象だ。
野手陣:“柳田・近藤依存”から一転して…
続いては野手陣を見ていこう。
【打撃成績】
2023年143試1185安104本513点73盗 率.248(2)OPS.679(2)
2024年135試1175安107本555点87盗 率.259(1)OPS.720(1)
8試合を残して本塁打、打点、盗塁の数字が昨年を上回り、リーグ1の打線になった。
〈2023年〉
・捕手
甲斐拓也366打74安10本44点0盗 率.202 RC32.87
・一塁手
中村晃511打140安5本37点0盗 率.274 RC64.26
・二塁手
三森大貴296打77安5本21点14盗 率.260 RC28.99
・三塁手
栗原陵矢352打84安13本49点0盗 率.239 RC40.68
・遊撃手
今宮健太427打109安9本48点4盗 率.255 RC46.41
川瀬晃178打42安0本15点2盗 率.236 RC15.23
・外野手
近藤健介492打149安26本87点3盗 率.303 RC114.13
柳田悠岐546打163安22本85点1盗 率.299 RC100.33
柳町達311打80安0本34点2盗 率.257 RC41.28
周東佑京237打57安2本17点36盗 率.241 RC26.57
牧原大成359打93安2本32点3盗 率.259 RC31.77
近藤、柳田のRCが100を超えリーグトップクラスの打撃成績を挙げたが、これに続くのは中村晃の64.26、「2巨砲」だけが目立って、他の野手が「補助戦力」のように見えていた。打線のつながりも良くなく、強打のわりに得点力は今一つだった。
これを踏まえて2024年の成績を見てみると――投手と同じく、変貌ぶりが分かる。