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京都国際の監督に直撃「それは書いてもらっていい」優勝翌日、密着記者に明かした“本音”「PL学園の校歌をもらおうかって」関係者からJ.Y.Parkの名前

posted2024/08/25 11:04

 
京都国際の監督に直撃「それは書いてもらっていい」優勝翌日、密着記者に明かした“本音”「PL学園の校歌をもらおうかって」関係者からJ.Y.Parkの名前<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

京都国際を率いる小牧憲継監督(41歳)

text by

中村計

中村計Kei Nakamura

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Hideki Sugiyama

夏の甲子園を制した京都国際。その盤石の強さとともに話題を集めたのが、校歌である。優勝翌日、現地記者が京都国際の小牧憲継監督(41歳)に直撃した。【全3回の3回目】

◆◆◆

「書いてもらっていいです」

 いきなり校歌のことを聞くのではなく、まずは、監督である小牧憲継にこんな質問をぶつけてみた。

――昨日、涙がこみ上げてきた瞬間はありましたか。

 すると、意外な答えが返ってきた。

「正直、いちばんはですね、校歌を歌ってるときに……」

 一瞬、やっぱりそういうものなのかと思った。思い入れがないとはいえ、日本一になって聞く校歌はいいものですねというような言葉が続くのかと思った。

 だが、違った。

「関東第一さんの(アルプススタンドからの)手拍子というかですね、あれがすごくね。校歌で波風というか、ハレーションを立てている学校なんで。僕も含めて、大迷惑なんですけど。ははははは。ああやって、野球を極めようとしている人間同士の熱い気持ちっていうか、温かみっていうかね、そこがいちばん感動しましたね」

 小牧が本音で、素直に胸の内を語っていることが伝わってきた。今なら聞けると思った。改めて、校歌を変えようとは思わないのか、と。

「ていうかね、そもそもの話が、(京都)韓国学園のときの校歌なんです。僕らが言われたのは、お金がないから変えられない、と。なんていう理由やと思った。京都国際はトリリンガル教育(3つの語学教育)をうたってるんやから、今風にね、韓国語と英語と日本語を混ぜてつくるとか。その方が今のどきの世代の子には合うんじゃないかって提案してるんですけど、もみ消され続けてるので。もう学校とは関わりません。僕は正直、学校は嫌いなんで。それは書いてもらっていいです」

 野球の強い高校は、学校サイドの協力が手厚いものだ。だが、京都国際の両者の関係はかなり険悪のようだった。それでよく優勝できたものである。

「PL学園の校歌を…って話もよくしてる」

 小牧の校歌の話はまだ続いた。

【次ページ】 「K-POPでもいいと思う」

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