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京都国際の監督に直撃「それは書いてもらっていい」優勝翌日、密着記者に明かした“本音”「PL学園の校歌をもらおうかって」関係者からJ.Y.Parkの名前
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/08/25 11:04
京都国際を率いる小牧憲継監督(41歳)
「横浜とかPL学園の校歌とか、カッコいいじゃないですか。なのでPL学園の校歌をもらおうかって話もよくしてるんですよ」
数多の名選手を輩出した大阪の名門、PL学園野球部は2016年夏に事実上、廃部になっている。
韓国の大統領であるユン・ソンニョルが「奇跡のような快挙」と京都国際の優勝を讃えたことについても質問が飛んだ。小牧が困ったような顔をする。
「僕はもう、本当に韓国がらみのことは何もわからないんで。僕は日本の学校だと思っているんで」
小牧の思いが伝わってくる言葉だった。
「K-POPでもいいと思う」
現在の校歌の中で必ずやり玉にあがるのは、出だしの「東海」と、「韓国の学び舎」の部分だ。東海は「トンヘ」と読み、韓国基準で日本海のことを指す。NHKの中継ではそれぞれの歌詞が「東の海」と「韓日の学び舎」に変更されていた。
この部分の歌詞だけ修正すればいいのではという意見もあるようだが、生徒募集を担当している岩淵雄太はこう否定する。
「いや、そんなことをしても、もう、イタチごっこになるだけなんで。やっぱり丸々、変えてしまった方がいいと思うんです」
岩淵はこんな斬新なアイディアを提案する。
「今、レゲエの校歌もあるくらいなんだから、K-POPでもいいと思うんですよ。韓国から出向にきている先生がJ.Y.Parkと仲がいいらしいんです。NiziUとかのプロデューサーです。だから、校歌つくってもらえるぞ、って。もちろん、きちんとお金は払うんで。別にもうオール韓国語でもいいから、今どきのメロディーに、平和に行こうぜとか、仲良くしようぜくらいの歌詞を乗っけて。それでいいじゃないですか」
正直なところ、韓国語の校歌も何度も聞いているうちにすっかり耳に馴染んでしまった。驚いたのは最初だけだった。
日韓関係は、あまりにフクザツだ。京都国際には、われわれが想像しえない難解な事情や問題があるのだろう。ただ、岩淵の案を聞き、想像が広がった。
甲子園にK-POP風の校歌が流れる日——。
そんな光景を思い浮かべただけで、わくわくしてきた。