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「何百万円のボーナスを捨てて、教師になるなんてお前バカか?」高校野球が好きすぎる東大エリート…“甲子園予選”で実現した「東大卒監督vs東大卒監督」
posted2024/07/22 11:00
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
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ついに実現…“東大卒監督vs東大卒監督”
開成高校といえば、東大合格者数において全国トップを誇る、私立のスーパー進学校である。一方の駿台学園も中高一貫の私立で、男子バレーボール部は全国区の強豪だ。一見、なんの関係性もない両校だが、実は互いの野球部監督は東大野球部のOBなのである。
頭脳と体力を兼ね備えた東大野球部員たちは、名だたる大企業から引く手数多。彼らの華々しい就職先については、筆者はこれまでNumberWebで紹介してきたが、そんなOBたちの中にあって、両校の監督はきわめてレアケースだ。
駿台学園の監督の三角裕(1983年卒・県立浦和)は、大学時代は野手として活動し、ただ野球指導をしたいがために高校の教師となる。「大企業に入れば何百万円のボーナスをもらえるのに、それを捨てて教師になるなんてバカか?」と周囲に呆れられた三角のキャリアは既出記事に詳しい。彼の監督としての手腕は確かで、過去には伊奈学園(埼玉)を率いて、春の選抜甲子園に出場した経験を持つ。
一方、開成の監督は青木秀憲(1995年卒・太田)。大学時代は外野手やマネージャーを務め、東大大学院を経て開成の教員となった。1999年から25年間、開成野球部を率いている。他の部活とのかねあいで自校のグラウンドをほとんど使えないという練習環境で、いかに戦うかを考える青木の戦略は、ズバリ打ち勝つ野球である。打撃に特化した青木の指導方法は、『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』(高橋秀実著・新潮社)として書籍化されたほどだ。
このような東大野球部きっての野球狂の二人が、奇しくも今年の夏は初戦で激突したのである。
「ウチは5点以上とらないとダメ」
駿台の三角は対戦を控え、こう語っていた。
「駿台の今までの課題は、春から夏にかけて個人においてもチームにおいても成長がなかなか見られないということでした。今年のチームはわずかずつではありますが、個人、チームに成長が見えているのが例年との違いです。たまたま今年は初戦の相手が開成ですが、選手には相手ではなく、自分たちがどれだけ日々成長して大会を迎えられるかに集中するように話をしていますし、私自身も相手のことは考えていません」