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甲子園の風BACK NUMBER
大谷翔平を甲子園で撃破…2012春夏連覇の大阪桐蔭“黄金世代”の副将はいま何してる? 白水健太が独立リーグ→高校指導者の道を選んだワケ
posted2024/06/21 17:10
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
(L)Fumi Sawai、(R)JIJI PRESS
今春のセンバツの準々決勝。甲子園球場のチケット売り場前に「福井工大福井」と胸に書かれたグラウンドコートを着た球児たちが集合していた。その隣にいた引率のスタッフ数名の輪の中で、白水健太監督がにこやかな表情を浮かべてこう言った。
「この子らに日本一を意識する学校の試合を見せたいと思って。それで朝イチの特急で来たんです」
入場チケットも選手たちが売り場に並び、当日券を購入していた。
「これも社会勉強なので」と、白水監督は列に並ぶ選手らを見つめる。
一塁側の内野席に数十人ごとに選手たちがひと固まりになって着席し、試合開始を待つ。
第1試合は同じ北信越地区の星稜が登場した。
「星稜は北信越を引っ張っている存在。秋の日本一のチームですし、1試合目から星稜の試合を見て何かを感じてもらえたらと思いました」
センバツに登場した「王者・大阪桐蔭」
第4試合には監督の母校である大阪桐蔭が登場した。
相手は昨春のセンバツでも敗れている同じ近畿地区の報徳学園。屈指の好カードとも言われたこの試合を、選手たちは食い入るように見つめる。時間の関係もあり、本来は試合途中で帰郷する予定だったが、緊迫した試合展開だったため席をなかなか立てず、結局最後まで観戦した。
「4試合、全て観戦して、健大高崎とか青森山田とか、色んな学校が出てきてそれぞれのカラーも見られて、学ぶことは多かったです。(母校の大阪桐蔭は)ミスがもったいなかったですね。あの境(亮陽)君の盗塁、アウトになりましたけれど、セーフになって徳丸(快晴)君と今朝丸(裕喜、報徳学園)君の対決がどうなっていたか、見てみたかったです」