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仙頭啓矢「躍進中の町田に現れた『遅咲きの司令塔』の腐らない心」
posted2024/06/15 09:00
text by
北條聡Satoshi Hojo
photograph by
J.LEAGUE
叩き上げの関西人が新天地で躍動している。仙頭啓矢、29歳。今季のJ1戦線で首位争いを演じるFC町田ゼルビアの新しい“頭脳”だ。
町田の強みは相手に息つく暇を与えない鋭い速攻にある。事実、最前線にそびえ立つ巨人オ・セフンをターゲットにした攻撃は迫力十分だ。ただ、それ一辺倒というわけではない。
「オ・セフンへのロングボールばかりにならないように工夫を凝らすこと。そこに僕が使ってもらっている意味があると思っています」
一発で敵の最終ラインをブレイクするスルーパスはお手のもの。裏抜けに優れたFWの藤尾翔太や快足で鳴らすウイングの平河悠を走らせ、次々とチャンスをつくり出す。また、敵のプレスが甘いと見れば、慌てずタメをつくり、食いついてきたら、すかさずボールを離す。したたかに戦況を見極め、巧みに時空を操る様はまさに司令塔のそれである。