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箱根駅伝で逆転負け2位、駒澤大が「危機的な状況」に…「今のままじゃ三大駅伝はひとつも勝てない」「監督が異例の苦言」“最強軍団”に一体、何が?
posted2024/06/09 06:01
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Yuki Suenaga
今年の箱根駅伝で青山学院大学に逆転負けを喫し、大学駅伝三冠を逃した駒澤大学。2022年度には三冠を達成した最強軍団は今シーズン、トラックのフィールドで思わぬ苦戦を強いられている。かつての絶対王者に一体、何が起きているのか。
他の強豪校が順調な一方…
日体大長距離記録会――。
雨が土砂降りになったり、小雨になったり断続的につづく中、淡々とレースが消化されていく。駒澤大の藤田敦史監督は、2つのストップウォッチを手に握り占め、硬い表情でレースを見詰めていた。
今年の駒澤大は、大丈夫なのか。
メディア、SNSを始め、各大学の間でも関東インカレの期間中から、心配する声が上がっていた。青学大や中央大、国学大など箱根駅伝優勝を狙うチームの選手がレースでしっかりと結果を出していたが、かたや駒澤大で入賞したのは関東インカレ5000mで5位になったルーキーの桑田駿介と日体大記録会10000m7位の帰山侑大(3年)の2名だけ。10000mは主力の伊藤蒼唯(3年)が29位、ハーフマラソンは吉本真啓(4年)が22位、庭瀬俊輝(4年)が31位、金谷紘大(4年)が5000m15位と振るわず。キャプテンの篠原倖太朗(4年)、エースの佐藤圭汰(3年)が不在とはいえ、昨年の駅伝2冠、そしてトラックにも力を入れている駒澤大らしくない寂しい結果に終わった。
「昨年の関東インカレは良かったんですが、(2022年度の)三冠達成の時は篠原が10000mで8位に入るぐらいの出来で、白鳥(哲汰)は30分を超えていました。5000mも安原(太陽)が11位で、良かったのはハーフマラソンだけ。そういう時でも駅伝は勝てたので今後良くなる可能性がありますが、それにしても今回の関東インカレはちょっと悪すぎました」
藤田監督は、厳しい表情でそういった。
今年は4年生が引っ張り切れていない
関東インカレで、なぜ結果が出なかったのか。