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箱根駅伝で逆転負け2位、駒澤大が「危機的な状況」に…「今のままじゃ三大駅伝はひとつも勝てない」「監督が異例の苦言」“最強軍団”に一体、何が?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2024/06/09 06:01
今年の箱根駅伝は2位に終わり、鈴木芽吹(一番左)ら能力のある4年生が抜けた駒澤大学。駅伝シーズン前から不調が聞こえてきている
「今回、藤田さんがチームの現状について厳しいことを言ってくださいましたし、自分もみんなに『今のままじゃ三大駅伝はひとつも勝てない』と言いました。それで、みんな、少しは焦ってくれたと思うんですが、これから下級生を始めどう変われるか、ですね」
篠原は、個人種目に注力していたこともあり、先頭に立ってチームを引っ張ることができない状況に歯がゆさを感じていたが、今回のミーティングを受けて、夏合宿が始まる前までは個々の選手の取り組みを注視していくという。
指揮官が感じた「やらされモード」
藤田監督は、練習の内容は変えず、その目的を明確にして行うようにした。
今までもそうしてきたが、ひとりひとり練習への理解が足りておらず、「言われたからやっている」というのが感じられた。そのため、この練習の意図は「このレースでこのくらいのタイムを狙っていきたいので、そのペースを維持していくため、そのペース感覚を養うための練習である」等々、細かく説明するようにした。
「あとは練習のメリハリが大事だなと思います。ただ、練習を漠然とやるのではなく、やる時はやって、落とす時は落とす。そうしないと怪我が多くなるので、そのさじ加減が大事になるんですが、そこがまだ私の経験が浅く、今回の関東インカレの結果に出てしまった部分があると思います。メリハリをつけられなかったので、故障者が出てしまい、結果にも繋がらなかった。今後は、その反省を活かしてやっていきたいですね」
そうして迎えた日体大長距離記録会、10000mで今年の箱根駅伝の6区を走った帰山侑大(3年)が自己ベストを更新(29分17秒19)したが、藤田監督は「練習はできているけど、最後の調整になった時、ぜんぜん走れなくて。スタートラインに立った時は、自信がない状態だったのですが、28分50秒台は出してほしかったですね」と、渋い表情だった。それでも篠原が5000mで目標の13分25秒には届かなかったが13分33秒13で自己ベストを更新し、関東インカレで15位に終わった金谷も14組トップで13分49秒47の自己ベストをマークした。
篠原は今後に向けて、一筋の希望を口にする。