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箱根駅伝で逆転負け2位、駒澤大が「危機的な状況」に…「今のままじゃ三大駅伝はひとつも勝てない」「監督が異例の苦言」“最強軍団”に一体、何が?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2024/06/09 06:01
今年の箱根駅伝は2位に終わり、鈴木芽吹(一番左)ら能力のある4年生が抜けた駒澤大学。駅伝シーズン前から不調が聞こえてきている
「私が伝えたかったのは、『駒澤は勝たないといけないチームだ』ということです。体がキツイとか、連戦だからちょっと体が動かないとか、そういうことは言わなくてもこっちは分かっている。その中でも『俺らは勝たないといけない』という言葉が聞きたいんですよ。でも、最近はそういう気持ちが薄れてきて、勝たないといけないチームだということを忘れているような気がしたんです。ひとりひとりが『俺がやるんだ』という自覚を持って練習や試合に取り組んでいかないと、今のままじゃチームは何も変わらない。個々の自覚を促す意味で厳しい話をしました」
行動が変わらない選手が多かった
藤田監督の話の後、選手だけのミーティングが続いた。
終わった後、篠原に「どうだった」と聞くと、「藤田さんに、厳しい言葉をかけてもらいながらチームの方針を示してもらいましたし、締まったミーティングになったので、タイミング的にも良かったです」と語った。
主将の篠原自身も相当、危機感を募らせている。
「関東インカレが終わっても下級生はまだ上の空というか、危機感を持っていない選手が多かったんです。チーム全体のミーティングでは取り組みや課題について意見が出るんですけど、言っているだけで行動が変わらない選手が多かった。やらないといけないという意識はあるのかもしれないけど、結果が出ていないのはまだ甘いってことだと思うんです。昨年は4年生が強かった分、駅伝を走った人が僕らの代も含めて少ないので、駅伝への取り組み方とか要領が分かっていない選手が多くてピンとこないのかもしれないですけど、あとでやろうと気づいても遅いんですよ。それに昨年は4年生が強くて、そこについていけば大丈夫みたいな感じがあったのが、今もあまり変わっていないんです」
今のままじゃ三大駅伝はひとつも勝てない
田澤廉と三冠を達成した時のチームは、選手の高い意識と不断の努力、激しい部内競争がベースになった。篠原は、そのプロセスやチームの完成度の高さを知るだけに、現状がいかに危機的な状況にあるのか、選手に訴えた。