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「アディショナルタイムに17ゴール+ドイツで1年間負け知らず」レバークーゼンはサポーターも素敵…敵将が「本当に嬉しいよ」感謝したワケ
posted2024/05/27 11:12
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Alexander Hassenstein/Getty Images
レバークーゼンはなぜ、アディショナルタイムに驚異的なペースでゴールを決めるのか。
無敗記録を51まで伸ばした今シーズンのレバークーゼンの躍進を振り返るとき、避けては通れない偉業が本稿のテーマだ。その秘密を探ることはすなわち、シャビ・アロンソ監督の長所を理解することになる。
今シーズンのレバークーゼンのアィショナルタイムのゴール数は、公式戦52試合で17ゴール、リーグ戦34試合で8ゴールを記録している。
アディショナルタイムに強い《3つのキーワード》
興味深いのは、リーグ戦でのアディショナルタイムのゴール数がもたらした絶大な効果だ。まず、今シーズンのリーグ戦上位3チームの勝点差を見てもらいたい。
1位 レバークーゼン:勝点90
2位 シュツットガルト:勝点差17(勝点73)
3位 バイエルン:勝点差18(勝点72)
では、もしもアディショナルタイムのゴール(失点含む)をのぞいて90分までのゴールだけで勝ち点を計算したらどうなるのか。
1位 レバークーゼン:勝点81
2位 シュツットガルト:勝点差7(勝点74)
3位 バイエルン:勝点差9(勝点72)
レバークーゼンは、シュツットガルトとの勝点を10、バイエルンとは9も引き離す形になった。
これほどまでの成果が出た背景には戦術面での要因もあるが、本稿ではマインド面を軸とした《3つのキーワード》を論じたい。
ディフェンスラインのリーダーのターは、アロンソ就任まではドイツ代表の当落線上にいたが、現在はドイツ代表のキーマンとなっている。彼は終盤での強さをこう話す。
「『メンタリティ』、『チームワーク』、『ハングリー精神』があるから、どんな試合でも僕らはあきらめないのさ」
3つのキーワードを検証していこう。
監督が培った「勝者のメンタリティ」が
まずは1つ目、メンタリティについて。
31歳の新加入選手として、チームの精神的なリーダーとして君臨したジャカ(*詳しくは第1回を参照)は言う。
「人々はきっと、幸運だったからアディショナルタイムにゴールを決められると言うだろう。だけど、これだけ多く決めているんだ、幸運なわけがないよ。試合終了のホイッスルが鳴るまで自分たちを信じ続けているからだし、言語化できないような『メンタリティ』をそういうところで示めそうとしているんだ」
そのジャカと中盤の底でコンビを組むことが多いのが、アンドリッヒだ。