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「アディショナルタイムに17ゴール+ドイツで1年間負け知らず」レバークーゼンはサポーターも素敵…敵将が「本当に嬉しいよ」感謝したワケ 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byAlexander Hassenstein/Getty Images

posted2024/05/27 11:12

「アディショナルタイムに17ゴール+ドイツで1年間負け知らず」レバークーゼンはサポーターも素敵…敵将が「本当に嬉しいよ」感謝したワケ<Number Web> photograph by Alexander Hassenstein/Getty Images

ドイツ杯で今季2冠目を獲得したシャビ・アロンソ監督。サポーターの振る舞いも素敵なものだった

 第1回で書いたように「ハングリー精神」をもたらした筆頭が、31歳にして、初タイトルをとったホフマンだが、彼だけではない。

 バイエルンユースの出身ながら、レバークーゼンにレンタル移籍中のDFスタニシッチがその証言者だ。リーグでもELでもアディショナルタイムのゴールで救ってきたスタニシッチは言う。

「優勝を決めたら多くのチームが『これで十分だ』と満足してしまうかもしれない。だけど、僕らにとってはそんなケースは当てはまらない。僕たちは決してあきらめないんだ」

選手たちはみんな、監督のことが好きだよ

 また、ジャカもこう語っている。

「1つゴールを決めたら、さらにゴールを決めたいと僕らは思うんだ」

 若い選手がハングリーであるのはよくわかる。しかしそれ以上に、クラブに招かれたベテラン選手が「ハングリー精神」にあふれていたというのが、今シーズンの強さの象徴だろう。

 上記した3つの要素は、決して目には見えない。戦術ボードで現すことはできないし、練習グラウンドでアロンソが見本を提示することもできない。

 では何故、そうしたものを身につけることができたのか。

 その答えを知っているのが、スタニシッチだ。来シーズンはバイエルン復帰が既定路線と思われていたが、彼は今レバークーゼンへの残留を望んでいるという。アロンソの指導を受け続けたいと望むスタニシッチの答えに全てがつまっている。

「選手たちはみんな、監督のことが好きだよ。だって、アロンソは常に120%の『情熱』を捧げてくれるんだから!」

 愛弟子の語る「情熱」というキーワードにアロンソの本質が隠されているのではないだろうか。

ペップの下でプレーしたいからこそのバイエルン移籍

 思い出すのはアロンソが現役時代、最後の移籍を決断したときのエピソードだ。

 リバプールやマドリーで数々のタイトルを手にしてきたアロンソが現役最後に選んだのがバイエルンだった。あのペップこと、グアルディオラが指揮していた時期のことだ。

 ドイツ人ジャーナリストたちは当時、好き勝手にこんな予想を立てていた。

【次ページ】 EL決勝敗戦のショックを感じさせない今季2冠目

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